上方落語十八番でございます (日経プレミアシリーズ) 桂 米二 日本経済新聞出版社 このアイテムの詳細を見る |
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桂米二さんの、落語十八席のネタ紹介。
「リクツ」、「りクヤン」と呼ばれてるとあって、もっと蘊蓄満載と思いきや、
いたって、あっさりめ・・・おもしろいような、もの足りないような。
あくまで、落語を初めて出会う人まで、想定した様な、
手取り足取り、親切な内容だが、「リクヤン」と唸らす部分は少ない。
自分の落語会のプログラムに載せているところの紹介は、
落語ファンを前提に書かれているので、おもしろい。
たちぎれ線香の・・・「雪」について、・・・地唄の一つ。
浮世を捨てて尼になった芸妓が、昔の恋人を忘れかねる心情を述べたもの。
南地の芸妓で、「そせき」という女性のことを唄っているという。
歌詞の中に、「もしやといっそせきかねて」と詠み込んであるというのだが・・・・。
この三味線の一節を、「雪の合方」として、「不動坊」、「池田の猪買い」などの
雪の降る場面で、はめものとして使用する。地唄ではもっとも有名な部類に入ります。
地唄舞としてもよく出るほうだと思いますと。はめものとして唄われるのは、
「ほんに昔の昔のことよ・・・・・」のところで、こんな効果的なはめものはちょっと無いと。
普段、よく聴いている「雪」の説明に、 得心も得心。
そして、「猫の忠信」では、登場人物の名前は、全て歌舞伎「義経千本桜」をもじってあると。
この猫はタダで飲んでて、「狐忠信」、吉野屋の常吉で「義経」、駿河屋の次郎吉で「駿河次郎」
お師匠はんがお静さんで「静御前」、六さんは「亀井六郎」、その他、片岡はんとか、
伊勢屋三郎兵衛旦那とかは、義経四天王とか。・・そして「おとわ」さんは、
義経の母親の常盤御前ではないかと、こんな事と知ると、歌舞伎を見に行かなければ
と思いますが、「猫の忠信」はもとより、「七段目」、「蔵丁稚」など本家本元知らんと
うわべだけでは、あきまへんな・・・。
米二さん、次回の本はもっと、「リクヤン」の名にかけて、落語の奥義、
こってりと、ご講義くださいな・・でおます。
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