落語的ニッポンのすすめ (新潮文庫) 桂 文珍 新潮社 このアイテムの詳細を見る |
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夕刊フジの「桂文珍のあっちゃこっちゃウォッチャー」という連載エッセイをまとめたもの。
大阪と東京の違いについても、
「スイカ」と「イコカ」で、スイカで買い物できると聞くと、「ヘふぇ、物々交換?」とか
東京の列車案内の「つぎ」、と「こんど」とかでどっちが先かようわからんと迷いましたが
最近変ったようで、営団が英断した。
吉野家が、「復活牛丼祭」をやったさい、東京の店では、食べ終わった人のコメントが、
「ジューシーだった」とか、「懐かしい味だった」のに比べ、大阪のオッチャンは、
「写真より肉が少なかった」と、その時はおもしろかったであろう話も、
今読むと、鮮度が落ちたようで、時事のマクラネタは、やはり戴けませんな。
横浜では、「痴漢に御注意!」ですが、大阪では「チカン、アカン」とストレートに、
文珍さんが言うように、横浜は乗客を被害者の立場でみているが、何で大阪は、
加害者とみているのか、まあ、大阪人はインパクと笑いが優先ですな。
日々のブログ風、日記的で、その日のできごと、その日の感想が書かれているが、
何となく、三ヶ月や、半年前の新聞を読むようで、あじけない。
既にこんなこと、みんな知ってるで、多少ツッコミをいれ、ブツクサ言いながらも、
思わず、読み進んでしまう。・・これが、文珍さんの押しつけがましさであり、
関東の人などから、大阪人の代表と思わせた時点で、世間一般でいう、
文珍さん、独自の世界を築いた成功者なんでしょうな。
最後に、あとがきにある、イラストレーターの山藤章二さんの言葉をご紹介。
「文珍の落語には、東と西の差もない。落語通と初心者の差もない。
年配者と若者の差もない。文珍の行くところ`笑いの段差`がまるでない。
いわゆるバリアフリー落語だ」と・・・・・・・・・・・。
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