旧共産圏でもとりわけ経済的に遅れていると思われるブルガリアですが、そのおかげでほかでは見られなくなったものがまだ身近に見られてうれしくなるときがあります。
それはやはり交通に関してでしょう。路面電車やトロリーバスは、ヨーロッパのほかの国のおさがりばかり。自家用車は、旧東ドイツ製の「トラバント」がまだ現役です。そして旧ソ連製のラーダがバンバン走っています。
車のことはまた別の機会に回すとして、そんな車や電車以上に古い交通手段といえば・・・・
「パカラッ、パカラッ、パカラッ・・・」そう、馬です。
馬車で荷物を運んでいるロミ(ジプシー)の人たちが、ソフィアの中心部を駆け抜けていきます。
馬そのものはサラブレットよりも小型ですが、力強く、時には駆け足で交差点や、高速道路さえも走っています。
町外れではロバがちょっと小さな車を引いています。
サマコフという町に行くと、あまり車が通らない道で馬たちを調教して!いるロミの人たちを見ることができます。ムチでビシッ、「ハーッ!」と声をかけると全力疾走します。
それが終わると一休み。遠くに逃げていかないように前足を結ばれていますが草原で自由に草をはんでいます。
うちの近所は、住宅地とはいえゆったりしているせいか、馬車を引く馬たちがのんびり草を食べているのが見られます。ときには道路の中央分離帯で。その横をラーダやトラバントが「ぷるんぷんぷ~ん」と駆け抜けます。
こんな風景はなかなか見られませんよ~。