今日は、天皇誕生日です。
去年までの私は、クリスマス前の祭日ぐらいしか
思っていませんでしたが、今年は違って思えるのは
読んでいる本のせいでしょうか…
今、高山文彦の「ふたり・皇后美智子と石牟礼道子」
と、いう本を読んでいます。
石牟礼さんは、「苦界浄土」など水俣病を訴える
作品を書き続けている作家です。
その作家と皇后様が?
その疑問から読み出した本ですが、天皇陛下と皇后様の
水俣病の患者・家族への思いの深さに驚きました。
ひた向きに続けておられる戦地の慰霊も、お二人の
深い思いからなのだと思いました。
水俣病はチッソ水俣工場から吐き出されていた
メチル水銀によって汚染された海の魚を食べたことで
水俣病が発症したのですが、
そのチッソの社長が、皇太子妃雅子さんの祖父なので
天皇皇后両陛下は非常に難しい立場にあるだろうと
察せられるのですが、異例といえるほど時間をとり
水俣病患者や家族、遺族と対面し話を聴かれた
お二人の真心が、長年の苦しみを抱えてきた人達の
心に寄り添い、患者・家族の方々が心から癒された
ということをこの本で知りました。
そして、美智子さまと石牟礼道子さんが、出会ったのが
鶴見俊介さんの姉、鶴見和子さんをしのぶ会だったと
いうことにも驚きました。
今日のお誕生日の会見で「先の戦争のことを
十分に知り、考えを深めていくことが日本の将来
にとって極めて大切なことと思います。」と述べられて
いましたが
もしかしたら、この日本で一番平和を考え、
先の戦争と向き合ってこられたのは、天皇皇后
両陛下かもしれないと、思いました。
水俣を詠まれた御製
慰霊碑の先に広がる水俣の海青くして静かなりけり
あまたなる人の患ひのもととなりし海にむかひて
魚放ちけり
患ひの元知れずして病みをりし人らの苦しみ
いかばかりなりし