しばらく語ってきましたが、もうすぐわたしは語るのをやめます。そろそろ終わらねば、あなたがたも苦しいでしょう。
わたしがやりたかったことは、ただ、かのじょという天使が、どのような人であったかということを、あなたがたにもっと細やかにわかってもらいたかったということです。
かのじょは、女性そのものです。男だということが信じられないほどに、やさしすぎる。柔らかすぎる。そして弱い。
純真に、まっすぐに過ぎるのです。
悪いことなどできないのに、あなたがたは、かのじょをテロリストに等しいとさえ言った。
わたしはそれが、許せないのです。
わたしたちは、あなたがたよりは、はるかに優れた存在です。それは段階という現象上、仕方のない現実です。
事実上、後発の創造は、先発の創造を、追い抜くことはできないのです。
しかし、わたしたちにもそれぞれに限界があり、欠点があり、個性がある。完全なものなどいません。
存在とはそういうものです。
進化すればするほど、優れたものになればなるほど、大きくなっていけばいくほど、欠点も大きくなります。
それゆえにこそ愛しあう。
自分というものを、おそれてはなりません。
今、その自分が、いかに幼く、小さく、愚かに見えようとも、自らそれをかぶり、そのばかばかしいほどに熱い存在を生きていきなさい。
完璧になることなど、永遠にない。
わたしたちは自己存在。この不完全な自己を永遠に生きていく。
熱い火柱です。
サビク