世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

スノゥホワイト・ロゥズレッド

2014-03-06 08:34:04 | こものの部屋

       



「自分の心に、恥ずかしいことはしてはいけませんよ。いつも心はきれいにして、人には親切にしてあげなさい」
母親はいつも、娘たちに教えました。
「賢いことは、よいことです。森は、いろんなことを教えてくれるから、たくさん勉強しなさい。知りたいと思うことがあったら、遠慮なく、鳥や動物や木や花に、尋ねなさい。みんなきっと、いいことを教えてくれるから」








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踊り子の報酬

2014-03-06 04:52:05 | 虹のコレクション・本館
No,85
オーブリー・ビアズリー、「踊り子の報酬」、19世紀イギリス、アール・ヌーヴォー。

これこそ、猟奇的だね。実に恐ろしい。
ワイルドの戯曲「サロメ」につけた挿絵だが、サロメはヨカナーンに恋するものの受けいれてもらえず、エロド(ヘロデ)王の前で踊ることの代償にヨカナーンの首を要求するのである。

もちろんこれは史実ではない。愛するあまりに相手を殺すというのは、男にはよくあることだが、女には滅多にない。

ワイルドはこの、男の中にある、女に対する殺人的な愛を、女に仮託することによって表現したかったのだろう。事実、戯曲の主人公が女ではなく男だったら、これほど美しい挿絵は描けない。

男は自分たちの中にある激しい愛を、女に変換することによって、美しく洗練させたかったのかもしれぬ。だがその美は、いかに美しかろうとも、背徳の匂いが激しく染み付く。

おもしろい作品だ。人間はこれを見ると、強く惹かれるだろう。時には、人道を排しても手に入れたい愛がある。そういうことを考える時が人間にはある。

愛というものを考える時、重要なことを教えてくれる作品だ。




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