世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ヘラクレスとオムパレ

2014-03-27 03:17:33 | 虹のコレクション・本館
No,104
ルーカス・クラーナハ、「ヘラクレスとオムパレ」、16世紀ドイツ、北方ルネサンス。

ヘラクレスはさまざまな試練にあっているが、その中でも最もきついのは、オムパレに仕えていた時のことだろう。

リュディアの女王オムパレは、奴隷として売られていたヘラクレスを買うが、彼を馬鹿にし、筋骨たくましい彼に女装をさせて楽しんだ。糸紡ぎなどの女の仕事もさせた。武骨な指で不器用に針と糸を操り、細々と女の仕事をするヘラクレスを、たいそうからかった。

後にヘラクレスは、自身の力と勇猛さでオムパレを助け、彼女の夫となり、子もなすわけだが。そこにいたるまでの試練には、肝をねじられるような葛藤があったことだろう。

しかし、これからの男は、この時のヘラクレスのような試練を浴びねばならない。女性を馬鹿にし、小さなつまらない仕事と言って、家事などの仕事を押し付けて来た報いを受けねばならないのだよ。時には、オムパレのようなプライドばかり高い馬鹿女に嘲笑され、虐げられながらも、従順に細やかな仕事をしていかねばならん。逆らうことなどできない。

これは本当だよ。

ヘラクレスは耐えたが、あなたがたには耐えられるかね?

これほど、男の忍耐力を試される試練はないね。




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