No,99
シモン・ヴーエ、「ルクレティアとタルクィニウス」、17世紀フランス、バロック。
これはローマ時代の史実をもとにしたよく描かれるテーマだが。
ルクレティアは貞淑な妻だったが、ある日彼女に邪心を抱いた男によって凌辱され、それを苦に自害してしまう。
ヨセフとポテパルの妻の話よりも、こっちの話の方が世の中にはたくさんあるね。言うまでもないことだが。古来から男はこういうことばかりしている。
好みの女が人妻だったら、それはひどいことをするんだよ。
これと同じテーマを、ティツィアーノも描いているが、そっちの方は苦しいので選ばなかった。ティツィアーノはそんなことができる男ではない。なので場面の中の男は、真面目な男が芝居で無理矢理強姦魔をやらされているという感じがする。女の方も芝居をしながら、男に遠慮しているような風がある。
その点この図はけっこう衝撃的だ。男の馬鹿を描ききっている。
実際ね。性欲に我を失った男と言うのは、みっともないよ。馬鹿にしか見えん。ちょっとはこれを見て冷静に自分を見ろと言いたいね。
シモン・ヴーエ、「ルクレティアとタルクィニウス」、17世紀フランス、バロック。
これはローマ時代の史実をもとにしたよく描かれるテーマだが。
ルクレティアは貞淑な妻だったが、ある日彼女に邪心を抱いた男によって凌辱され、それを苦に自害してしまう。
ヨセフとポテパルの妻の話よりも、こっちの話の方が世の中にはたくさんあるね。言うまでもないことだが。古来から男はこういうことばかりしている。
好みの女が人妻だったら、それはひどいことをするんだよ。
これと同じテーマを、ティツィアーノも描いているが、そっちの方は苦しいので選ばなかった。ティツィアーノはそんなことができる男ではない。なので場面の中の男は、真面目な男が芝居で無理矢理強姦魔をやらされているという感じがする。女の方も芝居をしながら、男に遠慮しているような風がある。
その点この図はけっこう衝撃的だ。男の馬鹿を描ききっている。
実際ね。性欲に我を失った男と言うのは、みっともないよ。馬鹿にしか見えん。ちょっとはこれを見て冷静に自分を見ろと言いたいね。