世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

本を持つ男

2014-03-14 03:09:12 | 虹のコレクション・本館
No,93
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン、「本を持つ男」、15世紀フランドル、初期フランドル派。

今日は男性の肖像画を選んでみた。ここで選ばれる絵はどうしても女性像が多いのでね。男を描いた絵というと、まずこれが浮かんだ。

これは実に誠実そうな顔をしているが、馬鹿だ。目をよく見てみたまえ、好色そうな感じがするだろう。どんなに鉄面皮の下に隠しても、隠せない心が見える。

こういう男は多いぞ。スタイルやばっちりな道具で完璧に装ってはいるが、女ばっかり見ているというオーラを振りまきまくっている。
実にね。高そうな指輪をして、難しそうな本を持ち、女になど興味ないというようにあっちを向いているが、考えていることは丸見えと言うやつだ。

これがね、昔は結構通用したんだが、女も馬鹿ではない。わかるんだな。男には、もうこの手管が通用しなくなっているということに、まだ気づいていないやつが多い。

女は、いとも簡単に、こういう男の正体を見破る。甘いね。

男の肖像画には時に、こういうおもしろいものがある。かっこをつけても中身が丸見えと言うやつだ。完璧にやりまくっている分、ずいぶんと馬鹿になっている。




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