読書・水彩画

明け暮れる読書と水彩画の日々

ロバート・B・パーカーの『暗夜を渉る』を読む

2013年12月24日 | 読書

 暗夜を渉る』(原題:Night Passage)
                    
 著者: ロバート・B・パーカー(Robert B.Parker)
                     訳者: 菊池 光 
                     1998.5 早川書房 刊

    


  
久しぶりのパーカー作品。これまでは主としてスペンサー・シリーズを読んだが、今回は珍しくジェッシイ・
 ストーン・シリーズ(9昨品の第1作)。

  シリーズ物は主人公のキャラクター設定が興味深いが、ジエッシイ・ストーンはアメリカはペンシルヴエニア州
 の田舎町パラダイスの警察署長。かつてはドジャースのマイナーに在席した野球選手であったが、怪我で野球
 人生を断念、警官になった。カリフォルニア州ロサンゼルス市警殺人課の敏腕刑事であったが、妻ジェニフアー
 が男と家出し離婚。傷心の末酒に溺れてアルコール依存症一歩手前まで行った。
  ロス市警を首になったジェッシイに舞い込んだ働き口は、町の行政委員長の言いなりになる(なってほしい)
 警察署長の椅子だった。
  ロスからルート66のフラッグスタッフを経て車を駆って東部ボストン郊外のパラダイス町を目指す。

  パラダイスの行政委員長ヘイスティは銀行所有者であるが、ギャングの資金洗浄で得た金を「自由な白人
 キリスト教徒が支配する町を作る国民軍騎馬隊」に注ぎ込んでいる。国民軍隊員は警察署にもいて、資金洗
 浄に気付いた前所長は辞職を迫られたうえに殺された。
  ヘイスティの浮気相手の女性も邪魔になって殺される。
  酒飲みで無能な署長と見られて採用されたジェッシイは、いまだに忘れられない前妻ジェニファーを思い浮か
 べながら、次第に酒をコントロールするようになり、パラダイス町を牛耳るヘイスティの悪事とこれに連なる悪
 人どもの排除に立ちあがる。   

   (以上この項終わり) 

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