◇ あやしい絵?藤島武二の「婦人と朝顔」
clester F6 (320×320mm)
いま国立近代美術館で「あやしい絵」をやっています。その中の作品の一つに
藤島武二の油彩画「婦人と朝顔」があります。この絵(原画=下部に)のどこが
”あやしい”のか、よくわかりません。
制作年が1904年と言えば明治末期。藤島武二がフランス・イタリアに留学する
前の作品です。ミュシャなどアール・ヌーヴォーの影響を受けた作者が、朝顔と
女性のモチーフで何を表現しようとしたのか。物憂い眼差し、大胆な胸元、サリ
ーのように流れるような衣装。モガ・モボが登場した大正文化の先取りとも見え
る大胆な構図です。
残念がら私にはこうしたアンニュイは表現できませんでした。また原画にある
朝顔の垣根にある白い点の正体が不明で、結局葉叢の隙間とみて白抜きしました。
<原画>
(以上この項終わり)