最近までずっと自分の中の「おふくろの味」って今一つ分からないままでした。
物心ついたと言うか小学生のころから母の見よう見真似というか、テレビの料理番組での
土井勝料理教室の故;土井勝先生や辻調理師学校の現役;佐川進先生が好きで、
男だてらに、まして子供のくせに自分の味と言うのを持っていて大人になっても、母を亡くしても
懐かしい「おふくろの味」が見つからなかった。
子供たちに聞くとそれぞれに「おふくろの味」があって、お母さんの〇〇が食べたいと
たま~に帰省しては食べて帰ります。
妹に聞いてもちゃんとあると答えていましたから、それがなんだか羨ましい気がしていました。
最近、家内がバラ寿司を作って、二人なのにたくさん作ってしまって
翌日にキュウリや椎茸+韓国海苔、干瓢などを芯にした巻き寿司に
リメイクしたのを食べて思い出した。
そう言えば誕生日とか何かあると巻き寿司を作ってくれていました。
讃岐生まれで大阪で看護師の資格を取ってまたしばらく香川県の小学校の養護教諭をして
20代半ばで両親を亡くしてまた大阪へ出るまでの間に染み込んだ香川・讃岐の味。
香川ではうどんにバラ寿司は付き物で、大阪の寿司飯に比べると砂糖の量が半端なくて甘い。
冠婚葬祭何でもバラ寿司が出てくる。
なんでも5代将軍綱吉の頃かの贅沢禁止令とかで、一膳一菜一汁が基本のお達しがあったのを
讃岐ではいろんな食材を酢飯に混ぜて「これが一菜」と頭を使ったのがバラ寿司の起源だとか
聞いたことがあります。
それが岡山発進という話もありますがその頃には生存していなかったので定かではありません。
母の味ほど家内の作った巻き寿司は甘くは無かったですが、酢の具合とかは良く似ているような気がして、やっとこの感じが母親の「おふくろの味」だと気付くと共に、とても懐かしくなりました。
もう母が亡くなって19年になりますが、やっと今と言う気がします。