昨日、京阪で行って仲間に拾ってもらって訪問した先は京都大学・百万遍から知らか白川通り今出川を
北に上がり住所が一乗寺から修学院に変わるあたり。
お客様のお宅に2時の約束で伺って1時間40分ほど採寸や打ち合わせなどさせていただいた。
近くには曼殊院、狸谷不動尊、野仏庵、八大神社、称名寺など有名なところがあって、20代の頃から
好きな場所でありながら随分と訪れていない詩仙堂がある。
出来ればちょっと寄って帰りたいと仲間に云うとすぐに寄り道に賛同してくれた。
徳川家康に仕え隷書、漢詩の大家であり、わが国における煎茶(文人茶)の開祖であった石川丈山の
住居とされていた詩仙堂 丈山寺。
詩仙堂の門には「史跡詩仙堂」の石碑と小有洞(しょうゆうどう)と書かれた扁額。
山茶花と竹林の薄暗く木漏れ日が頼りの石段を上がると老梅関 があり、「梅関」の扁額が見える。
堂の中は丈山の遺品が飾られ、鴨居には僧都予が掲げられているために撮影禁止となっている。
中国の詩人三十六人の画像および詩の額が四周に掲げられている。
それでも部屋から外の風景は「ご自由に」と言うことである。
広い庭には猟芸巣(至楽巣)という読書室にサンダルが置いてあって自由に散策できるように
なっている。
一角には茶室が設けられている。季節によって様々な花が咲く。
庭の中央部には川が流れている。
屋根の上には嘯月楼があって月を望んで朗吟する場所となっている。
四季折々の景色が花が楽しめるところであるけれど僕は秋の紅葉と冬の雪が好き。
右京区の嵐山・嵯峨野から大覚寺・金閣寺と言った西の京都は天龍寺・大覚寺・龍安寺や
金閣寺に仁和寺・妙心寺と池を湛えた大きな庭の華やかさがあるように思う。
一方、東山区から左京区と東側に在るお寺は大原・三千院から南へ此処も含めて銀閣寺、そして
哲学の道を辿って南禅寺とモノクロ写真でも十分に魅力を感じる侘び寂びの庭が多いように思う。
離宮にしても西の桂離宮と東の修学院離宮ではなんとなくそんな違いがあるようにおもう。
特にここは砂利ではなく細かい砂の庭で微かに箒目が感じられる。
この日もいつから居たのか知れないけれども女性二人が静かに座って時々薄く目を閉じたり、じっと
庭を眺めたりしていた。
4時前から閉門の5時少し前まで、僕等も心を洗わせてもらってきました。
アブラゼミのジージー啼く声と獅子脅しの カッコーーーン!と言う音以外、静かに流れる風ですら
音を遠慮しているような静けさ。
明日から8月が始まるなんて忘れさせてくれるようでした。
お盆を過ぎるとヒグラシに鳴き声も変わるのだろう。