リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

岐路 (3)

2005年06月02日 08時56分08秒 | 随想
 晴れて大学「5年生」を迎え、無事母校での教育実習を終えた私は、7月後半に行われる教員採用試験に臨むことになった。教師になろうと決めて半年も経っていなかったので、受験対策など皆無の状態で7月を迎えていた。さすがにそれではまずいと思い、そのころまだやっていたヤマハのギターコンサルタントの仕事を3週間だけ休ませてもらい、受験勉強に専念することにした。本屋に行き参考書を探したがどれも同じようなものばかりで、なかなかいいものが見つからない。そのとき目にしたのが、序文の中でその本を徹底的にやれば合格を保証すると言い切っていた一冊があったので、それを購入した。用語辞典での出版で有名な出版社のものだ。もちろんそんな謳い文句を信じていたわけではないが、これも何かの出会いだろうとその時思った。私の住んでいた県はその当時教員採用試験に一般教養の試験がなかった。試験は専門とする教科(私の場合は英語)と教職教養のみだ。もし一般教養試験があり三教科であったらならば、三週間あまりの受験勉強では到底無理だっただろう。受験勉強は、英語はそれなりに自信があったのでほとんどやらず、教職教養一本に絞った。


※2年ほど前に、ちょうどこの年(1974年)の12月に行われたコンサートのテープが「発見」されました。そのコンサートの関係者の方がずっと保存していたもので、それをデジタル化したものをいただきました。本当に懐かしい思いで演奏を聴きました。演奏した曲もすっかり忘れていて、何も言わずに聴かされたら自分の演奏だとは思わなかったでしょう。結果的にその演奏が人前でギターを弾いた最後になりました。というか、ギターの演奏で唯一残っている録音です。その演奏がぜひ聴きたい!とおっしゃる奇特な方のために(あまりいないでしょうけど(笑))、一応mp3ファイルをアップしました。曲は、ラウロのベネズェラ舞曲第3番とブローウェルのフーガです。ただし2曲とも著作権保護期間中の楽曲なので、一般的にアクセスできる形では公開できません。Yahooのブリーフケースに入れてあります。私宛にメイル(nakasho@na.rim.or.jp)をいただければ、ブリーフケースの「鍵」をお知らせします。