リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

コンサート

2005年06月14日 19時08分26秒 | 日記
今日はスコラと、バーゼル音楽院(この二つは併設されています)の学生コンサートがなぜか目白押しです。
3時から日本人ギタリストのHさんのコンサートを聴きました。プログラムはバッハ、ソル、細川、武満、ウォルトン、ドナトーニの作品でした。彼女は現代作品にすごくいいセンスを持っているギタリストですが、今日のバッハもよかったです。バッハはBWV996のホ短調組曲でしたが、今村さんの所で何回かレッスンを受けたそうで、充分その成果が出ていたと思います。なぜか日本人ギタリストのバッハは不勉強な演奏が多くて、古楽器奏者の耳には聴くに堪えないものが多いんですが、彼女はその点しっかりした素養とセンスを感じさせました。他の日本人ギタリストの方ももっとがんばってほしいですね。
バッハを弾き終わったあともまだ少し顔がこわばっていましたが、(笑)ソルあたりからだんだんリラックスしてきました。ウォルトンの作品はソプラノとギターのためのAnon. in Loveという曲でしたが、曲の日本語訳を付けるために2週間くらい前に彼女が私のところに来たことがありました。歌詞の中にきわどいというかズバリのことばが出てくるので訳語に困っていました。いくつか訳語の候補をあげましたが、あまりズバリの日本語でもねぇーって感じで決定版は出ませんでした。最終的にそのことばの訳として、彼女は「僕の魂」ということばを使いました。(え、元の英語は何だったって?それはちょっとここでは書けません。(笑))うーん、ちょっと高級すぎる感じかなぁ。私的にはせめてカタカナを使って「僕のタマシイ」くらいはしたかったな。(笑)
それはさておき、全体としてとても音楽センスあふれるいいコンサートでした。武満、細川作品もすごくこなれていたし、ドナトーニのいわゆる70年代のアヴァンギャルド風作品もすごく魅力的に響いていました。日本での活躍が楽しみなギタリストですね。