リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

2017年の10月

2021年10月19日 22時34分23秒 | 日々のこと
なんか急に寒くなりました。涼しいというより寒いといった方がいいです。確か先週までは半袖短パンでほぼ夏と同じような格好をしていましたが、今日は長袖長パンツ、靴下も履きました。

実は今年とよく似たパターンがありました。2017年です。その年の10月8日に桑名六華苑でバロック・リュートのソロコンサートをしました。10月も8日になったらさぞかし秋の爽やかな気候で、リュートもよく響くことだろうと考えて、オールガット弦に張り替えてコンサートに臨むことにしました。

ところが10月に入ってもなんか夏のような湿度と気温の日が続き、8日ならなんとか秋らしくなってくるだろうという希望的観測もみごとに裏切られ、コンサート当日の8日はまるで夏のような湿度、気温でした。六華苑の会場は冷暖房設備がないのです。ですから春と秋のいい季節を選んでコンサートをしているのですが、長くここでコンサートをさせて頂いていますが、少々気温が高めの日はあっても湿度が高い日は一度もありませんでした。

いい気候の日であれば開け放たれた窓からは爽やかな風と時折鳥の鳴き声が聞こえて来てそれはそれはコンサートに最適なのですが、当日は外からの湿った空気が入っているし、さりとて締め切るともっと暑いし、曲の前半の繰り返し前ですでに弦はガタガタに狂ってきました。特にバス弦、狂い方は数セントといった生やさしいものではありません。もうほとんど半音です。おかげで何度も調弦をし直しながら演奏することを強いられました。

その年もコンサート後しばらくして、急に晩秋のようになりなんか秋がなかった感じでした。今年はそれに比べるとまだマシでしょうけど、それでも一気に気温が落ち込んでしまったので、もう少しゆるい角度で季節が進んでほしかったですね。