芭蕉が「曙や・・・」の句を詠んだ季節はいつ頃でしょう。野ざらし紀行の件の句のひとつ前は、
十九、桑名
本統寺にて
冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす
があり、曙や・・・の後は「木枯らし」や「雪」ということばが出てきて、
二十五、故郷での年越し
がありますので、曙や・・・は12月の寒い頃の桑名の浜だと思われます。
早朝に浜に出てみると、漁師が網を引いている。そこにかかった一寸ほどの白魚の白さが鮮やかで、目に染みるようだ。(野ざらし紀行、現代語訳付、上妻純一郎現代語訳より)
揖斐川は東に流れ海に注いでいます。まだ薄暗い中、東の水平線上からは曙光が差し始めます。私は曙が漁師の網の中の白魚にあたっている光景も思い浮かびました。曙が白魚の半透明部分を淡い紅色に染め、白魚の白さを際立たせているその光景です。
1684年の暮れ、ヨーロッパではヨハン・セバスチャン・バッハが生まれる少し前、芭蕉が目にしたその光景を失われた豊かな浜のオマージュとして音楽にしてみました。タイトルは、Illusion(まぼろし)にしました。
Illusion
ちなみにこの曲を依頼して下さったお方はこの曲をお気に召さなかったようでした。どうもフォークソングみたいにギターをジャンジャンジャンとかき鳴らしながら歌う曲をご希望だったようです。そうおっしゃって頂いてたら、それなりのものは作ろうと思えば作れますが、まぁ人選を間違えていましたね。(笑)そう悪くない曲だとは思いますが、もったいないことをされたものです。
1989年の作品。保存ソースはメタル・テープ。カセットデッキからのアナログ出力をDAW(Squoia15)に出力、24bit/48kHzで録音。それをmp3形式にエクスポート。
十九、桑名
本統寺にて
冬牡丹千鳥よ雪のほととぎす
があり、曙や・・・の後は「木枯らし」や「雪」ということばが出てきて、
二十五、故郷での年越し
がありますので、曙や・・・は12月の寒い頃の桑名の浜だと思われます。
早朝に浜に出てみると、漁師が網を引いている。そこにかかった一寸ほどの白魚の白さが鮮やかで、目に染みるようだ。(野ざらし紀行、現代語訳付、上妻純一郎現代語訳より)
揖斐川は東に流れ海に注いでいます。まだ薄暗い中、東の水平線上からは曙光が差し始めます。私は曙が漁師の網の中の白魚にあたっている光景も思い浮かびました。曙が白魚の半透明部分を淡い紅色に染め、白魚の白さを際立たせているその光景です。
1684年の暮れ、ヨーロッパではヨハン・セバスチャン・バッハが生まれる少し前、芭蕉が目にしたその光景を失われた豊かな浜のオマージュとして音楽にしてみました。タイトルは、Illusion(まぼろし)にしました。
Illusion
ちなみにこの曲を依頼して下さったお方はこの曲をお気に召さなかったようでした。どうもフォークソングみたいにギターをジャンジャンジャンとかき鳴らしながら歌う曲をご希望だったようです。そうおっしゃって頂いてたら、それなりのものは作ろうと思えば作れますが、まぁ人選を間違えていましたね。(笑)そう悪くない曲だとは思いますが、もったいないことをされたものです。
1989年の作品。保存ソースはメタル・テープ。カセットデッキからのアナログ出力をDAW(Squoia15)に出力、24bit/48kHzで録音。それをmp3形式にエクスポート。