リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

左手のテクニック

2024年11月12日 12時41分39秒 | 音楽系

私は6歳頃から少しヴァイオリンをカジッっていたこともあり、左手のテクニックに関しては苦労をしたことがありません。もっともヴァイオリンは左手の技術の壁が来るレベルまではやっていませんですが。50年くらい前まで数年間ギターをやっていましたが、左手の押弦に関してできないことはなかったし、その後リュートを弾くようになっても左手で困ることはほとんどありません。

リュートを教えていて生徒の皆さんの左手の使い方に問題があることは分かるのですが、どうやったらそれが直るのかという方法はわかりませんでした。自分がどうやって身につけたがわかっていないので教えようがないのです。生徒さんが私のやっている通りにできればいいわけですが、いくら目の前で見本を見せても誰ひとりとしてきちんと出来るようになった人はいませんでした。でも最近になってようやく多分確かだろうという方法が見つかりそれを生徒さんに少しずつやってもらっています。

このようにエラそうなことを言っている私ですが実は左手で困ることが2つあります。ひとつは絶対的な指の長さに起因する押さえ方の場合。それなりに左指のエクステンションには自信があるんですが、あと3ミリ!というようなときはどうしようもありません。まぁ実際にはこういうケースに遭遇することはそう多くはありませんが。

もうひとつは、これは私だけかも知れませんが、私の手のシワというかスジというか(手相を見るスジです)それが結構深いのです。左手でバレをするとき、そのスジに弦がぴったりとはまってしまうときがときどきあります。こういうケースは1コースか2コースに限られますが、これらの弦は細いのでスジの溝にはまってしまうと少し余分の力を加えないと音がビビってしまいます。少しバレをずらすと指先が届かなくなったり人差し指の根元に弦が来て別の弦の音がならなくなったりします。ギターの弦は1弦でも太いのでこういう現象はありませんでしたが、リュートだと起こってしまうのです。

意識して強めに押さえればなんとかなることはなるんですが、その加減がなかなか微妙なので、そういう現象が起こった場合はポジションを替えることが多いです。バレをした方が押弦自体は楽なのですが、泣く泣く少し無理があるポジションで弾かなくてはならないのはつらいところです。

 


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2 コメント

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re (nakagawa)
2024-11-13 12:23:39
実際のところ指のエクステンションぎりぎりまで使う曲は実際にはほとんどないし、アマチュアの場合はそういう曲は最初から避けた方がいいでしょうね。

多分ルネサンス・リュートの曲の方が困難な押弦を要求するケースが多いと思いますよ。(弦長がみじかくても)
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Unknown (やまねこ)
2024-11-13 08:13:39
こんにちは。
なかなかナーバスな事だなあと思いました。
私も絶対的な指の長さに起因するような問題について痛感したことがあります。
私は決して指が短いわけでなく、標準的な大きさだと思うのですが、リュートに関しては特段、左手で困ったことはないですが、エレキでは困るのです。
あの偉大なジミヘンは親指が長く、ネックをバレーでなく、握り込んで親指で4弦まで押さえこんでるような感じで弾くのです。この効果は絶大で親指で5,6弦が押さえられるのでコードを弾きやすいのです。私はせいぜい6弦までで4弦までは無理でした。ですが、そういう押弦で弾く極もそうそう無いのでいのですが。。

 リュートの場合、13コースのバロックリュートでも指の長さの問題で、曲を諦めざるをえないものもあるように思えますが、アレンジで妥協するか、弾かないか、なかなか痛い問題のように思えます。
ルネサンスリュートへ転向してしまうこともあるのでしょうか。
 右手のi,mの交互奏法でも、やや困難さがあるのでないかと思います。指の柔らかさ、表面の艶やかさなども大事な事だと思います。
 私もリュートを弾くようになって、指にはとても注意を払うようになりましたし、重い物を持つことにも気を使うようになりました。
 リュートは楽器も演奏もなかなかの難物だなあと思いました。
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