リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

音楽ホール問題(1)

2024年11月07日 09時25分46秒 | 音楽系

最近各地で閉館や休館される音楽ホールが増えてきているようです。多くの音楽ホールはいわゆるバブル期に一斉に建てられたものが多いですが、それらが改修の時期を迎え、経済的に苦しいところはやむなく閉館に至るところもあるそうです。もうバブルの頃の勢いはないですから。

東京文化会館は開館して60年経つそうですが、令和8年5月7日~令和10年度の期間大規模改修されるそうです。ここは東京都の潤沢な財政がありますので閉館ということはないでしょうが、それでも再来年から約3年間閉館するのはいろんな公演に影響を与えそうです。

同じ東京でも民間が経営していた近江楽堂は小規模なコンサートにとても使い勝手がよかったですが、コロナ禍時に公演が激減したあおりを受けて2021年に閉館しました。近江楽堂のHPには内部設備の更新工事に入るので一旦閉館するとありますが、「なお、工事期間は現在未定です」との付記もあります。3年経った現在も更新工事に入ってないようですので、事実上の廃業かも知れません。

名古屋のしらかわホール(定員約1200)も今年の2月、30年に渡るその歴史に幕を閉じました。今後はホールが入る12階建てのビルごと売却される見込みということですが、ホールそのものはなくなるわけではないのでどっかの企業が引き継いでくれるといいのですが。

名古屋の小ホールでは2010年開業の5/R HALL&GALLERYが2022年に閉館しています。バブル期に開業したホールは充分な経費をかけ志も高かったですが、ここは日本の経済が縮小した時期の開業ということもあり、あまりいいホールとは言えませんでした。それでも運営の仕方がよければ充分やっていけたと思いますが、運営の仕方もよくなかったのでわずか12年で幕を下ろしたわけです。