リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

買いたたき

2024年11月13日 11時37分15秒 | 音楽系

出版社のKADOKAWAがフリーランスの事業者に原稿料を買いたたいたとして公正取引委員会から是正の勧告を受けています。

買いたたきにあったのは26事業者で内21事業者は個人だそうです。買いたたかれた原稿料を合計すると500万円台だそうでこれを一事業者あたりで割り算すると20万にも満たない金額です。この金額は多分1原稿分ではないでしょうから、もともと安い原稿料をさらに買いたたれたということになるでしょう。なんか自動車会社の下請けいじめと構図は似ています。

私事で恐縮ですが、某誌の特集記事を書かせて頂いたときはかなりの日数をかけて結構なページ数を書きました。デジタルで版組までしたカンパケで出しましたので出版社の手間は結構はぶけたと思いますが、原稿料はお安く、単純労働の時給と比べても低くかったです。その時の印象は金額だけ見たらこれは割にあわない仕事だなあと思いました。ただ私の場合雑誌の巻頭特集記事でしたので、少々原稿料が安くてもとても満たされた気分でした。さらに掲載楽譜あったのですが、こちらはなかなか悪からぬ稿料を頂きました。

専門のライター、それもフリーランスとなると原稿料の書いたたきは死活問題です。恐らくこういう話はKADOKAWAだけの話ではないでしょう。ライターのみならずアニメーター、演奏家などクリエイティブな仕事に携わる人たちの価値にもっと目を向けてそれに見合う報酬を出すべきだということが世の中の常識になるべきだと思います。少なくとも音楽の場合は相対的には何十年も前の方がきちんとしていたように思えます。