リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

モーツァルトを聞く

2015年09月29日 09時16分52秒 | 音楽系
私は何年か毎に無性にモーツァルトが聞きたくなる時期がありまして、先日入浴中の孫とスカイプでお話をしていたら、なぜかBGMにモーツァルトの交響曲41番が流れていました。今回はそれがきっかけで今は車の中ではモーツァルト一色です。(笑)

交響曲のCDは単品でしか持ってないし、もちろん全曲は持っていません。これを機会に全曲集を買おうとアマゾンで探してみましたら、いいのがありました。トレヴァー・ピノックの全集です。ちょっと録音は古いですけど、これがなんと2600円です。なんか申し訳ないような感じもしましたが、注文しました。



モーツァルトの交響曲第1番は8歳のときの作品だそうですが、久しぶりにじっくりと聞いてみました。冒頭のテーマからしてもう成り立ちが違いますねぇ。力強く主和音を奏でる部分に続くゆったりと繋留音を伴い流れるフレーズの対比、全く天才の仕業ってこういうものを言うんですねぇ。同時代の、現代では二流と評されている作曲家の円熟期の作品でももうすでに足下にも及びません。

あとついでにピアノソナタ全集も購入。ピアノソナタ全集はトゥイヤ・ハッキラの全集を持っていますが、ロナルド・ブラウティハムの全集を買ってみました。ハッキラもブラウティハムももちろんフォルテ・ピアノを使っています。自分の専門分野の関係からかどうも現代のピアノで弾くモーツァルトやベートーヴェンにはなんか違和感を感じてしまいます。モダン・ピアノで弾くバッハなんかですともう「編曲」に聞こえてしまいます。

ブラウティハムはベートーヴェンの初期ソナタのCDがすごく気に入っているので、きっとモーツァルトもいい演奏をしていると思って買いましたが、期待に違わぬものでした。ここしばらくはモーツァルト・デーが続きそうです。(笑)

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6 コメント

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Unknown (genta gonta)
2015-09-29 12:05:30
おいらはイヌなんだけど(わざわざことわる必要はないんだけど)不思議とモーツァルトには縁があるんだワン。おいらの飼い主のミスターは変わり者で、おいら子犬のときにモーツァルトとビートルズばっかり聴かされたんだワン。(ミスターの息子の若旦那はボスのお腹にいたときから毎朝聴かされてたらしくて特にフィガロのケルビーノのアリアだかアリエッタを覚えているらしいんだワン!)ミスターが何を狙ってたのかわかんないんだけど、おかげでモーツァルトの音楽は嗅ぎ分けられるようになったんだワン。シンフォニーについてはホグウッド=エンシェント室内管弦楽団の全集(19枚もあるらしいんだワン!)なんかをなんと律儀に順番通りに聴かせてくれたんだワン。ハッキリ言ってはじめはあんまり面白くなかったんだけど(モーツァルトが小さいときに書いたオペラの序曲なんかもシンフォニーってことで混ざってるらしいんだけど)旧K.201の第29番あたりからくりかえし聴かされてるうちにあんとなくなじんできたんだワン。でもモーツァルトを楽しむにはイヌの人生(犬生?)は短かすぎるんだワン!Bowwow!!
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re (nakagawa)
2015-10-01 21:22:52
駄作を聞くのが趣味だという人は別として、人生は犬生よりは長いでしょうけど、それでもうかうかしているとあっという間に終わってしまいますので、いい人生をおくるにはモーツアルトは最良のお伴のひとりですね。
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バロック音楽の旅第3回 (shouchan)
2015-10-03 18:43:53
Maesrto Nakagawa こんにちは。
いよいよ明日はムジカ・レセレルヴァータの演奏を直に聴くことができるのを楽しみにしています。Maestroのluteは明日のアンサンブルには加わらないのですか?
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かくの如く世の栄光は移りゆく (genta gonta)
2015-10-05 11:24:30
Hello, Maestro Nakagawa.
おいらきのうはミスターのバックパックに入れてもらってこっそり会場に潜り込んだんだワン。しばらくすると古風で華やかな音楽が聞こえてきてすっかり聞き惚れてしまったんだワン。あまりの心地良さにバックパックの中で眠り込んでしまったんだけど、大きな拍手に目が覚めて、バッグのファスナーを少し開けて外を覗いてみたんだワン。なんだか怖そうな2人の男の人のあいだにエレガントな女の人がいて、その向こうにやさしそうな顔をした年配の男の人が蓋の開いた大きな平ぺったい箱の横にちょこんと座ってたんだワン。え、この4人がさっきの魔法のような音楽を奏でてたの?とちょっとビックリしたんだワン。優しそうなおじさんが音を出していた平ぺったい箱の蓋の内側に横文字で何か書いてあって、あ、あれはおいらが(イヌの分際で)むかし習ったラテン語だワン!って気づいたんだワン。
Sic Transit Gloria Mvndi (Mundi) このように移りゆく世界の栄光は、ってことなんだワン。でも、それってどういう意味なんだろう?
Maesrto Nakagawa おしえてほしいんだワン。
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re (nakagawa)
2015-10-10 12:44:34
shouchan さん、genta gonta さん、こんにちは。
バロック音楽の旅講座のあと、ずっとばたばたしていて、ブログの返事を書くことができませんでした。

私はムジカ・レセルヴァータのアンサンブルには加わりませんが、以前、もうだいぶ前ですけど、岡田さんとリコーダーの方と3人でアンサンブルを組んだことがあります。なんとその時のグループ名もムジカ・レセルヴァータでした。ですから現在のムジカ・レセルヴァータは「第二次」ということになりますね。桑名、名古屋、四日市、神戸、東京で公演をしました。そうそう確か阪神大震災の前年でした。

Sic Transit Gloria Mvndi は日本語では諸行無常とか盛者必衰ということになります。17世紀はじめころのイギリスでは Vanity (虚無的)が芸術上の潮流で、音楽なり歌の歌詞はそういった傾向のものが多いです。同様の傾向はフランスとかフランドルでも見られます。そのような流れを踏まえてチェンバロ製作者は蓋ウラにSic Transit Gloria Mvundiと書いたのでは思われます。ただ、こういった風潮は17世紀の後半以降なくなってしまい、音楽は華麗、豪華絢爛という方向に変化していきます。
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諸行無常 (genta gonta)
2015-10-10 15:26:07
hello, maestro nakagawa.
thank you very much for answering my doggy question.
よくわかったんだワン。世の中変わらないものはなにもないってことなんだワン。もちろん音楽も時代とともに嗜好が変わりやがて忘れ去られていくものもあるんだけど、ステキな音楽はいつまでも演奏され愛聴され続けるってことなんだワン。古楽のイミもそんなところにあるってことがわかったんだワン。ありがとうございました。 genta
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