リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

Sibeliusでタブ(1)

2023年03月18日 14時30分56秒 | 音楽系
楽譜清書アプリとして有名なSibeliusですが、何とリュートタブにもきちんと対応しています。楽譜を打つときまずピアノやヴァイオリンなどの楽器を設定しますが、その中にリュートがあるのです。ちなみにSibeliusの古楽対応度はなかなかのもので、例えば小節線を書かないでティックをつけることができますし、通奏低音の数字もシロクとかサンゴなどの組み文字もずれないで音符に合わせて書くことができます。あとリュートの音源まであります。

ただ単独でタブを打つのはやはりDjangoとかBeierTabなどの専門のアプリの方が便利でしょう。Sibeliusが便利なのは五線譜とタブが混在した楽譜(スコア)を作成するときとか、五線譜をタブに直すときです。タブ専門のアプリでも五線譜との混在はできますが、見栄えもあまり良くなく五線譜打ち込みのときの操作性もあまりよろしくありません。

私はコハウトなんかのリュートが入った室内楽やコンチェルトを清書するときとか、五線譜で書かれた曲をタブに直すときにSibeliusを使っています。

例えばバッハの無伴奏ヴァイオリンの曲をリュートタブにするとします。原曲の調に対してリュートではどんな調がいいかなかなか悩ましいものです。そんなとき原曲の五線譜打ち込みがあれば、どの調のタブでも自由に作れ、もっとも適した調を選択できます。そして各音をどの弦で弾くかもドラッグ・アンド・ドロップで自由に変更できます。(デフォルトは一番低いポジションです)もちろんバスを付け加えるのも簡単にできます。さらにはスコルダトゥーラにすることや別の調弦の楽器用のタブにすることまでもできます。つまり単に五線譜をタブになおすのではなく、Sibeliusは「タブ編曲作成ツール」として使うことができるのです。

では具体的にどう使うのかを見ていきましょう。

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