リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ヴァイスのソナタ25番、51番、95番(1)

2024年04月05日 17時16分37秒 | 音楽系

ヴァイスの25番、51番、95番のソナタはいずれもト短調です。25番はロンドン写本とドレスデン写本の両方に入っています。ただしサラバンドは同じ曲ではありません。51番はドレスデン写本、95番はモスクワ写本に入っています。

ロンドン写本P.243-249の25番は12,13コースが出て来ますので、少なくとも初期の作品ではありません。でもギャラントな感じは全くないので後期の作品でもなさそうです。構成曲もAllemandeやCouranteはありません。1曲目はAllemande風の楽曲ですが、Andanteと題されていてリズムの音価もヴァイスが書く他のAllemandeの半分のものが使われています。

他の構成曲もPassepiedとかLa babilieuse en Menuetみたいにフランス語の曲名なのでなんとなくフランス風の雰囲気が漂っています。ロンドン写本の第3曲目はタイトルがついていませんが、ドレスデン写本にはBoureeと書かれています。まぁ書かれていなくてもわかりますけどね。でも音価がやはり1/2になっていて、よくあるBoureeは1小節に四分音符4つなのがこの曲では八分音符4つです。

全体的にとても均整が取れたソナタで長さもほどほど、技術的に超絶技巧が必要というわけではありません。でも一定の技術水準、音楽水準がないと全く歯がたたないかもしれません。第1曲Andanteの1小節目から指が届かずつまづいてしまいます。