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喜びには2種類あって

2012年03月21日 | 大学でのひとこま
今日は山形の高校生が大学訪問。いや、被災地訪問ってことで、大学の被災地支援の取り組みについてのセミナーを実施した。そのなかで仮設住宅入居支援の話をやってくれと言われたので、農業プロジェクトの話を。メインの話はパーソナルサポートセンターの方にお任せして、わたしは15分間の前座だったんだけど、その中で一つだけ聞いてもらいたいことがあった。

被災直後は緊急支援ってことで、とにかく衣食住の確保が一番の最優先事項。今日を生き抜くってことが至上命題。でも1年がたつと、物資の支援はさほど差し迫ったことではなくなる(もちろんまだ必要な場面もあるにはちがいないが)。これからは、被災者がいかに自立していくか、地域がいかに連携していけるかというテーマが非常に重要になってくる。

わたしが今日高校生たちに話したかったことのひとつは、人間が感じる喜びには2種類あるということだ。
ひとつはすぐに得られる、簡単に手に入る喜び。おもしろいゲーム、TV番組、差し入れしてもらったおいしいものなど。もう一つは得るのに困難が伴う喜びである。試験の前に勉強をしたら成績が上がってうれしかった。部活でしんどい練習に耐えたら大会でよい成績を残せてうれしかった。こういう喜びは、生きる力になる。自分のベースになり、軸になる。生きがいといってもいい。こういう喜びは希望をもたらす。人間はこういう喜びがないと真に生きていくことはできない。だから、これからの支援は被災者が一方的に受けるだけという支援では足りないのだ。

今の高校生はまさに東北の復興を担っていく人材。
自分にできることはなんなのか、じっくり考えてみてほしい。
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