院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

2007-03-07 09:21:21 | Weblog
 小学生のとき、東京・目黒川沿いの満開の桜を見て感動した。

    咲き満ちてこぼるゝ花もなかりけり  虚子

 この句に私が感動する原体験は、目黒川の桜にある。

 当時、目黒川沿いの桜は、すでに老木だった。今は全部植え替えられていることだろう。

 桜の女王と言えばソメイヨシノである。そのためかソメイヨシノだけを桜と思っている人が多い。

 ソメイヨシノは寿命が短い。30年くらいだろうか。ソメイヨシノは江戸時代に作られた品種である。

 だから古い和歌に出てくる桜はソメイヨシノではなく、山桜である。そのようにして読まないと古歌は理解できない。

 山桜はソメイヨシノのように咲いてすぐ散ることはない。また、野生だから群生することもない。

 私を初め、桜というとソメイヨシノを思い浮かべてしまう人たちに、ちょっと警鐘を鳴らしてみた。