院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

タミフル問題

2007-03-25 12:26:18 | Weblog
 これまでのタミフルに関する厚労省の態度は正しかったと思う。とりあえず科学的データに基づいて判断していたからである。

 ところが今回の変節はどうだ。マスコミや世論に押されたのだろう。

 でも、マスコミや世論は、いつものことだが科学的でない。そんなものに押されるのは、厚労省が科学的でないことの証明になる。(もっとも、ほんらい行政は科学ではないが・・・)。

 タミフルによる異常行動に関しては、科学的データは今のところ一つしかない。一つしかなければ、ひとまずそれに従うのが科学的態度である。

 一つのデータとは、タミフルなしで異常行動が出たケースが10%、タミフルを飲んで異常行動が出たケースが11%というものだ。これは統計的には有意差がない。

 タミフルが異常行動の原因となるかどうかは、今後のさらなる調査が必要なのであって、軽々に結論は出せないというのが正しい姿勢である。

 マスコミや世論は、たまには正しい姿勢をとってみたらどうか。