院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

精神科医歴30余年

2008-01-09 08:04:24 | Weblog
 ひとつの仕事をして30年以上たてば、もうベテランである。私も精神科医歴30余年だから、自分ではベテランのつもりである。患者さんの顔を見ただけで80%はすでに診断がついている。

 同級生に優秀な外科医がいる。腕は折り紙つきである。彼は、自分はどんなに酔っ払っていても、完全な手術ができる自信があるという。ほんとうにそうか?

 私は、酔っ払っていては完全な診断面接ができない。酔っていては相手に失礼だとかの理由ではない。

 酔っ払っていると、患者さんの微妙な表情の変化、言葉遣い、症状の表現などについて、感覚の鋭敏さが欠けてしまうのである。だから、私は酔っていては診察ができない。

 私は、外科医も酔っていては、万全な手術はできないだろうと思う者であるが、尊敬する親友の外科医が、できると断言するのだから、できるのだろう。

 ということは、外科手術というのは精神科診断面接より簡単だということになりはしまいか?