院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ブチルアルコールで酔う

2008-01-10 08:29:10 | Weblog
 私たちが普段呑んでいる酒はエチルアルコールである。エチルより炭素が一個少ないだけのメチルアルコールは、良く知られているように有毒である。

 戦時中、酒のない時代、医局の大先輩たちは実験用に置いてあったエチルアルコールを呑んで酒盛りをしたという。

 当時、「藤波肉腫」といわれた癌があって、大先輩たちはニワトリにこの肉腫を発生させることに成功していた。(運が良ければノーベル賞をもらえる成果だったという)。

 大先輩たちは、この癌のニワトリを煮て肴にして、エチルアルコールを呑んでいた。酒飲みとは、いつの時代でも呑むためなら何でもしたようである。

 いよいよエチルアルコールもなくなると、今度はブチルアルコールを呑んだそうだ。ブチルはエチルより炭素が一個多いアルコールで、これでも酔えたという。有毒ではない。

 癌のニワトリを肴にしてブチルアルコールを呑む。これも大先輩たちのささやかな役得だったのだろう。