院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

俳句の季語「金魚」

2011-12-01 00:54:17 | Weblog
    死に絶えし金魚の水を流しけり  沈丁

 この句の季語は「金魚」で、季節は夏である。金魚は一年中いるものであるが、なぜか昭和初期から金魚は夏の季語となった。

 今でも歳時記に載っている季語で、現在ほとんど見かけないものは多い。「ひとえ」(着物の単衣)、「ネル」なんて、今日び相当な古老でも着ていない。

 歳時記篇者は、どの季語を保存するか随分悩むそうである。季語には文化的含蓄があるから、現在使用されなくなったからと言って、軽々に排除してしまうわけにもいかないらしい。

 新しい季語もなかなかできてこない。冒頭の「金魚」は昭和初期だと書いたが、それでも相当に新しい季語なのである。