院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

農耕の起源

2011-12-10 00:00:44 | Weblog
 農耕は今から1万5千年前に始まり、世界中に伝播した。それまで何十万年も同じような生活をしていた人類が、なぜ突然、農耕を始めたのか、実はよく分かっていない。

 一見正しそうな説に「人口圧説」がある。人口が増えてきて、広大な面積を必要とする狩猟採集生活では皆を食べさせることができなくなったからだという。

 ところがこの説は、なぜ人口が増えたかを不問にしている。何十万年も一定の人口だったのに、なぜ1万5千年前に人口が増えたかの説明が、この説には必要である。

 また、ラマルクの進化論のように、人間は文化を発展させる運命にあったという説がある。ちなみにラマルクの進化論とは「獲得形質は遺伝する」と唱えて、ダーウィンの進化論に駆逐された論である。

 こと文化の継承と言うことについては、先代の文化を受け継いで、さらに発展させるという性質を人類は持っているから、ここではラマルクの進化論が通用する。

 農耕の始まりはおろか、言語の始まり、土器の始まりなど、基本的なことがまったく未知であることに、宇宙時代の私たちはかえって驚く。

 文字の始まりなぞ、ついこの前のことである。