院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

フランスにはダウン症の人がいない

2011-12-15 00:04:15 | Weblog
ダウン症の子は人なつこく、性格的に良好なことが多い。しかし、内臓奇形などの合併症がたくさんあり、昔は早世することが多かった。今では医学の発達により、平均寿命は50歳ほどになった。

 原因は先天性の染色体異常であり、第21染色体が3本あるトリソミーというタイプが95%で、残りが転座型と呼ばれるものである。多くは卵細胞の老化によると言われている。母親が20歳代の妊娠では、2,000人に一人の確率で生まれるが、40歳代の妊娠では60人に一人と急速に増加する。

 このダウン症は、あまり知られていないことだが、フランスにはほとんど存在しない。理由は羊水診断でダウン症と分かると堕胎してしまうからである。このことを問題視するフランス人はいない。

 健康な胎児でも堕胎されることが多い現在、障害児を堕胎してもフランスでは文句を言う人はいないようだ。

 これが日本だったらどうだろう。「障害児だって生まれてくる権利はある」と言い出す人が必ずいる。

 フランス式がよいか、日本式がよいか、よく考えてみる必要があるだろう。