院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ストリートミュージシャン

2013-04-03 00:42:12 | 音楽
 私のわずかなヨーロッパ経験だが、ストリートミュージシャンを見かけた。

 一件は、パリの地下鉄と地下鉄を結ぶ地下道に、一人でアルトサックスを吹いている男がいた。けっこう上手かった。音が地下道に反響して、エコーが利かせてあるようだった。男の前には容器が置いてあり、お金を入れるようになっていた。

 もう一件は、ベルギーのアーケードで歌っていた聖歌隊である。若い男女が美声を響かせていた。アカペラで巧みにハモり、これもアーケードに響いて、とてもよい演奏をしていた。やはり前に、お金を入れる帽子が置いてあった。けっこうな人がおひねりを入れていた。私も入れた。

古くは新宿西口広場に「フォークゲリラ」というのが出て、ギターでフォークソングを歌っていた。聴衆が詰めかけるので、通行の邪魔になると、しばしば警察に排除された。「フォークゲリラ」は抵抗した。

 「フォークゲリラ」はお金を取らなかった。お金が取れるほど上手くもなかった。だから、通行の邪魔になるだけで、排除されても仕方がないのに、歌う側も聴衆も警官に抵抗した。

 私は彼らと同世代だったが、警官隊に抵抗してまでなにを主張したいのか分からなかった。そこには自己満足と自己顕示欲しか読み取れなかった。

 現在でも街なかで演奏している若者たちがいる。彼らはお金を取らない。だから、彼らをストリートミュージシャンと呼ぶには抵抗がある。彼らは総じて下手だ。

 街なかで演奏して、多くのファンがつき、とうとうスターダムにのし上がったデュオに「ゆず」がある。彼らは横浜の伊勢佐木町で歌っていたが、お金を取っていたのだろうか?そうでないなら、「ストリートミュージシャン出身」という彼らの肩書には賛同しかねるのだが、どうか?