院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

ちんどん屋のメロディー担当

2013-04-04 03:03:47 | 社会
 私が幼いころ、ちんどん屋は商店街の重要な宣伝媒体だった。なにかというと、ちんどん屋が登場した。そのころ、ちんどん屋は蔑まれていた。だから、子どもたちのあざけり言葉に「馬鹿カバちんどん屋、おまえの母さん出ーべそ」というのがあった。

 じっさい、ちんどん屋には物乞いのようなところがあった。正月の仕事がないときに、「おめでとうございます」と商店街に繰り出すことがあった。商店主たちは、仕事がないのだろうと察して、いくばくかの金を与えた。

 ちんどん屋のメロディーは、アコーデオンかクラリネットが奏でた。クラリネットにはボエム式とアルバート式とがあって、クラシックではボエム式が使用される。両者はキーの配列が少し異なる。ちんどん屋はアルバート式を用いていた。ボエム式よりアルバート式のほうが大きい音が出るのだ。

 現在、ちんどん屋は激減したが、残ったちんどん屋がイベントなどに出演している。もうクラリネットは使用されず、全部サキソホンになってしまった。サキソホンはアルバート式のクラリネットよりもさらに音が大きいからだ。

 ちんどん屋は昔のままにやっているように見えて、じつは改革を怠っていないことがそれで分かる。いま、ちんどん屋を蔑む人はいない。