院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

未だに迷う俳句の語尾

2013-12-07 06:44:39 | 俳句
 俳句を初めて25年にもなるのに、まだ語尾で迷うことがある。たとえば次の拙句。

    マッサージチェアが添水(そうづ)の庭を向く

 ここで添水とは、竹筒に水をためていっぱいになると水を吐きだし、竹筒が倒れてカタンと鳴る庭にある装置。鹿威し(ししおどし)とも呼ばれ、秋の季語である。


大谷ごふく店ホームページより。)

 上の例はもっともオーソドックスな終止形である。ところが川柳に多いのだが、止めない場合がある。

    マッサージチェアが添水の庭を向き

 さらに、俳句でしか用いられない用法、すなわち「し」で過去を表わす仕方がある。連体形で止めるので、文法的におかしいという意見がある。

    マッサージチェアが添水の庭向きし

 普通の過去形なら次のようになる。

    マッサージチェアが添水の庭向きぬ

 感覚的に一番良いと私が思うのは、最初の例である。なぜ最初の例が一番良いと感じるのか、未だに分からないでいる。