(マラッカ海峡安全航行施策(外務省)。ODA白書2006年版より引用。)
マレー半島の先っぽのマラッカ海峡は海上交通の要衝です。しかしながら、この海峡は浅瀬が多く座礁の危険性があり、また海賊が出没して警備が大変です。
マラッカ海峡を浚渫して大型船が通りやすいようにしようという意見がありましたが、敵国の軍艦が通れるようになるからと沿岸諸国が反対しました。
マレー半島の一番細い部分は幅が60kmしかないので(タイ領)、そこに運河を作ろうという話はむかしからありました。ところが、運河を作るとシンガポールの地政学的地位が暴落するのはあきらかです。だから華僑が反対しているそうです。
また、タイ領のムスリムがマレーシア側に住んでいて分離独立の動きがあります。運河の南側の独立を促すようなことはタイ政府が望みません。
いまだにマレー半島横断運河が実現していないのは、以上のような要因が複雑に絡んでいるからだそうです。
今日、気にとまった短歌
デパートの男子トイレにひとり立つ三歳の背筋がぴんと伸びてる (東京)川良傑