(チューリッヒ動物園のオランウータン。チューリッヒ動物園のHPより引用。)
前に上野動物園を例に挙げて動物園を批判した (2014-04-06) 。子どものころ、狭い檻の中で往復運動をやり続けている熊を見ても面白くなかったからだ。野生動物は人工的に飼うとノイローゼになるらしい。檻の熊がそれだった。
野生動物には一定のストレスが必要で、なんの努力もなしに餌を与えられ続けると、高等動物はかえっておかしくなってしまうそうだ。
それを防ぐ思想のもとでスイスのチューリッヒ動物園は運営されている。例えばオランウータンの場合、迷路のような箱から苦労して餌を取り出さなくては食物にありつけない仕掛けがなされている。
野生のライオンが狩りに成功する確率は30%くらいで、自然界では狩りの努力が報われない確率のほうがずっと高い。そこでチューリッヒ動物園では、ライオンが何回もトライしないと餌にありつけないように工夫をした。餌箱に扉があって、ライオンがあきらめずに繰り返し努力をすると、ようやく30%の確率で扉が開くようになっている。(扉は締まっていても、肉の血の匂いだけはライオンが嗅げるように作られている。)
こうした発想に賛同する動物園は多いだろう。上野動物園もきっと、そのようになる。
※真夜(まよ)、目覚めて詠める
中村主水てふハマリ役で生きてをり藤田まことは真夜のテレビに (豊橋市)中里ひとし