院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

乗鞍国民休暇村・その2

2015-08-18 04:42:36 | レジャー

(松本城近くの空き地には盆踊りの用意がされていた。)

 45年前、冷房のない名古屋の夏は地獄だった。だから大学生時代の夏休みには毎年、乗鞍高原に1か月以上も滞在した。

 乗鞍高原はとうじ、乗鞍岳以外にこれといった観光資源もなく、村人は涼しい村を「学生村」と銘打って学生たちを滞在させた。下界の学生たちには天国のような涼しさの中で、勉強に散索にと真夏の高原を満喫できた。1泊3食付880円。1か月滞在しても27,000円足らずで、名古屋の下宿代(食事なし、6畳1間)とほぼ同じだった。

 学生たちのほとんどは東京や京都の有名大学の在校生で、中で目立ったのは司法試験を目指す連中だった。毎年、同じ学生たちと出会うので自然に親しくなった。現在でも年賀状のやり取りをしている者もいる。

 名古屋から中央本線のディーゼル車で松本まで行き、すぐ乗鞍高原行きのバスが出る新島々まで松本電鉄で行った。暑いので松本には滞在したことはなかった。

 その後、何度も同じ民宿に泊まった。私の子どもたちが小学生になった時も連れて行った。子どもが運転免許を取ってからは、車を運転させて訪れた。

 山道は未舗装かつ片側が断崖で、落ちそうな道だった。バブル景気の前に道は改良されて2車線の立派な乗鞍ハイウエイとなり、自家用車の大集団が押し寄せるようになって、乗鞍高原は一大観光地となった。学生時代、私たちが散策した牛以外はいない牧場が、観光牧場となって店が立ち並び、観光客が列をなした。しかし、バブルが弾けると再び寂れてきた。それが現在の姿である。

 こんかい初めて松本で1泊し、なんと初めて国宝松本城を見た(上の写真)。冷房が普及したおかげである。松本に冷房がない時代には、頑張ってすぐに乗鞍高原まで行くのがふつうだったからだ。(冷房付きの宿は、学生には高価で泊まれなかった。)

 この旅で、ただ一つ残念だったことは、つい3,4年前まで営業していたはずの馴染の民宿が空き家になっていたことだった。


(乗鞍国民休暇村全景。楽天トラベルより引用。)


※今日、気にとまった短歌

  いま恋をしている途中とわれに告げ友はそのまま旅より帰らず (静岡県)西貝里美

乗鞍国民休暇村・その1

2015-08-18 01:05:32 | レジャー

(乗鞍国民休暇村の裏の「牛溜池」。晴れると乗鞍岳山頂が湖面に映る。)

 20代のころはお金も時間もなかったから、あまり旅行ができなかった。観光地の旅館やホテルはバカ高い。だから、国民宿舎や民宿に泊まった。国民宿舎は安いが、いかにも安いだけのことはあった。

 このたび、乗鞍国民休暇村に泊まって驚いた。設備や食事は中の上の旅館やホテル並みで、値段は下のほう。はっきり言うと1泊2食付1万3千円。バイキングだが料理が多種類あっておいしい。どうりで4,5か月前に予約して、お盆の3日間のうち1室しか取れなかったわけだ。

 むかしの国民宿舎と今の休暇村は関係がないらしいが、いずれも国立公園内にあって設立思想は同じである。日本も豊かになったものだと感慨深いものがある。


※今日、気にとまった短歌

  過保護だと言われ続けた目に見える障がいではないアスペの子がいて (石川県)鈴木マリ