院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

鈴木茂先生(精神科医)の遺稿集が出版されました

2015-08-22 15:23:28 | 学術
   (金剛出版刊。)

 鈴木茂先生とは昭和50年に名古屋でお会いし、これまで公私にわたりお世話になりました。

 当時、名古屋には俊英(私を除く)が蝟集し、全国的に「名古屋学派」と呼ばれることもありました。鈴木先生はその筆頭でした。こんかい、あるかたのご努力で先生の遺稿集が出版され、精神病理学の名論文が散逸するのが防がれました。

 この本で、鈴木先生の単行本は5冊目になります。アマゾンで税込 6264 円で買えます。

(この記事は「へんちき論」の番外で、個人的なお知らせです。) 

夏彦翁曰く「それがパパづらかママづらか」

2015-08-22 05:52:38 | 歴史

(今年の帰省ラッシュ。毎日新聞 web 版より引用。)

 毎年のことだが、お盆に帰省した若い家族が、満員電車や飛行機で返ってきた様子をテレビが報道していた。幼な子が祖父祖母のことをジイジ、バアバと言っているのが異常に目立った。違和感がある。

 たぶん、父や母のことをパパ、ママと呼んでいることからの自然な発展型なのだろう。私の幼少期にも親をパパ、ママと呼んでいる子がいた。外国帰りなら仕方がないが、そうでない家庭でもパパ、ママと呼ばせている親がいて、子供心に違和感をもった。

 私が長じてから山本夏彦翁の「それがパパづらかママづらか」というエッセイに出会って膝を叩いた。違和感をもっている人間が自分以外にもいるのだと分かって「おお!」と思った。その後も夏彦翁は、私が言葉にできなかった違和感を次々と指摘するので、いっぺんに夏彦ファンになってしまった。

 夏彦翁の存命中には、まだジイジ、バアバという用語はなかったから、今度は私が「それがジイジづらかバアバづらか」と言わせてもらおう。


※今日、気にとまった短歌

  遊びにも緩急があり鉄棒に子供らもたれかかる午後四時 (仙台市)工藤吉生