院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

山本夏彦の「変痴気論」

2015-08-23 04:48:37 | マスコミ
(中公文庫。)

 山本夏彦翁のことを昨日、語った。今日は翁のコラムで強烈に印象に残った一篇を挙げよう。

 それは「傘はほとんど凶器である」という題名のコラムだった。まだ、すべてのコウモリ傘の先が尖った金属製だった時代の話である。傘の先を危険なほどに尖らせる必要はないのに、傘メーカーは右へ倣えで、いつまでも傘の先を尖らせているという内容だった。

 私は唸った。以来、山本夏彦翁のコラムは全部読んだ。彼は晩年、日本橋高島屋だったかのポスターに、かっこいいお爺さんとして登場した。その後すぐに逝ってしまわれた。

 すでに何回か言ったと思うが、「院長のへんちき論」というブログのタイトルは、夏彦翁の本の題名のパクリである。翁はつねづね、世はパクリで成り立っている言われていた。オリンピックエンブレム作家のパクリなぞ、翁が生きていたら問題にもしないだろう。


※今日、気にとまった短歌

  担任も汽車の通路に雑魚寝して皆初めての上野に着きぬ (秋田県潟上市)高橋直美