トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

アンパンマンキーボ-ド修理

2008-04-15 23:31:27 | おもちゃ病院

Img_4168_r Img_4169_r Img_4171_r Img_4172_r Img_4173_r Img_4175_r 早速、修理に取り掛かりました。
先輩ドクターからCPU基板が表面板で押されて基板取り付けパターンの剥がれがあったということで調査依頼があった。

確かに、表面カバー裏に基板の当たった跡があったので、寸法測定してみました。
CPU基板は、若干斜めに実装されておりまして、モールド間の隙間が23mm基板の最大高さが23.1mmでした。基板を垂直に取り付けた場合には23.6mmと約0.6mm干渉します。気が付いて、斜めにしたのかも知れません。でも、斜めの状態で、ほぼ隙間がゼロですので、昔設計者の立場で考えると、これは意図して、設計されたのでは無いでしょうか。
(垂直で実装して、取り付け部のはんだが剥がれたのは設計ミスでしょうけど)というのは、この基板の取り付けが3箇所で、場所によって、たわんでスイッチの接触が不安定になるので、このCPU基板の高さを利用してたわみを防止したのではないかと思われるのです(押さえのポストも3箇所あるが)。
コストダウンを考えるとき、ねじは出来るだけ少なくするというのが、まず考えられる方策です。もちろん、おもちゃだから許される(許すにしてもストレスは考えて欲しい)方式です(ドクターの方には失礼ですが)。 今後の修理の参考になればと掲載しました。

これに対して先輩ドクターから。コメントがありました。

CPU基板は以前より傾けて取り付けされているそうです。これだとボタンを強く押したとき、基板を剥がす方向に応力がかかるので、この部分の剥がれ(肉眼では気付かない)が発生しているケースがあるとのこと。はんだを全部除去して付け直すと、パターン剥がれなどの2次不良発生の恐れもあるので、その辺の判断が難しいところです。24mm厚のブロックを貼り付けるのもいいかも知れません。
ところで、原因は基板側接点パターン(円形くし型)の表面酸化でした。スコッチブライト№8448(緑色#400)でこすったら動作OKとなりました。その接点だけでなく、全ての接点に実施することにより再入院は防げると思います。

豆知識

基板の接点パターンは半田レベラーと言って、レジスト(緑色のコーティング皮膜)後、半田のローラー間(昔の洗濯機の手回し搾りの構造を想像して下さい、と行っても50代以下の方は知らないかな)を通して、露出している部分のパターンに半田の薄い層を付ける(半田コーティングですね)ものです。当然、半田なので、長年の間に表面が酸化します。携帯電話、通信機器やゲーム機などでは、酸化しない様に金メッキをしたりしています。

導電塗料の場合、この手法は不可です。イージスペンや6B鉛筆などで修正して下さい。

スコッチブライトについて

ドクターの皆さん、ちょっと高い(20枚入り3200円/1枚当たり160円位、但しバラ売りだと300円、オークション価格で210円位するようです)のですが、紙やすりなどと比べて、簡単に表面の酸化皮膜のみ取れるので、良かったらお試しあれ。会社では№8448(緑色#400)と№7447(赤茶色#320)を使い分けています。大きさは150×230mmです。

あと、先輩ドクターは消しゴムを使っているようです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする