RC-31Rと一緒に依頼されたRC-500Hだが、調査すると送信側は429MHz帯で変調音が聞こえるので動作している様だ。
受信機をDC24Vで動作させるが電波LEDは点灯するが電波受信LEDは点滅(正常時)せず消灯のままである。
受信はモジュール(STD-301)となっており、シンセサイザ方式の新しい方法で作られている。
受信機からの出力も今までの修理依頼機器と異なりシリアル信号で、その後の機器に渡している様で、こうなると、それ以上の調査は不可能。
モジュールのデータ出力をオシロで観測するがロジック波形が見られないので、ダメ元でモジュールの製造メーカー「株式会社サーキットデザイン」に問い合わせしてみたところ以下の回答が有った。
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お問い合わせの件ですが、写真を拝見すると、産業機械の制御用に使われている無線機であることが分かりました。
この無線機は弊社がリモコンメーカであるヘテロニック社(アメリカ本社)に供給した無線機です。ヘテロニック社は日本用無線機を搭載し、古川機械金属様に納めています。
従い申し訳ございませんが、弊社が直接修理することはできません。また、無線機を供給することもできません。
そこで、修理の流れとして、購入された販売店に相談して頂ければと思います。
あるいは、メーカの古川機械金属様にご相談願えればと思います。
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ということで、私のレベルでは修理不可ということで、依頼者に購入した所に修理依頼出来るか確認したが、対応が良くないということで、お世話になっている近所のUNIC製品代理店「県西クレーンサービス」に現物を持参しメーカー見積もりを依頼した。この機種はまだ新しく、修理対応している。
その結果、受信機は基板交換が必要で約17万円との回答が有り、依頼者に確認の結果、修理してもらいたいということで、お願いした。
先日、修理品が届いた。
送信機も壊れた部品が交換となって新品同様になっており、受信機はそっくり新品と交換となっていた。
型式 RC-31R-HK製番 BH491
発振していなかった水晶(295.225/6逓倍=49.204166MHz)が三田電波より届いたので交換する。
受信モニターすると、今度は正常に送信されているのが確認出来たので、実際の受信機を接続して到達状況を調査する。
方法はいつもと同じで、実験用電源で昇圧して24Vを供給する。以前は自動車の12VをインバータでAC100VにしACアダプタでDC12Vの出力をこの電源に入れて使用したが、今回はリチウムイオン充電池(8.1V/500mA)を使うことで接続がコンパクトになる。
距離を離しながら、発振周波数調整用のトリマコンを調整して受信最大と一致させる。
受信確認はLEDを見ながらになるが、肉眼で見えなくなる30m近辺までは届くことが確認出来、問題無さそうなので、返却することにした。