昨年で本業がリタイアしたものの、アルバイトが忙しく、纏まった時間が取れなかったが、大型連休でバイトも休みになったので、伸び伸びになっていたスイッチング電源2種類の製作と動作確認をKIT活用で行った。
1.おもちゃドクター用1.5Vステップ電源
以前、秋月のモジュールを使った同じ用途品を製作したところ、日本おもちゃ病院協会でキット提供することになり、問い合わせの有ったドクターには部品と回路図を提供したが、組立のマニュアルを未だに作成しない状態だった。先日もおもちゃドクターから問い合わせが有ったが、これを機会にもっと安価に簡単なものにしようとモデルチェンジすることにした。
使用したのはaitendoのDC-DC変換モジュール[AKIT-2576](350円)で、ショーティング(ノンショーティングだと、切り替え時に最大電圧が発生し、接続した「おもちゃ」等を壊す恐れが有る)のロータリースイッチで切り替える様にしました。ICのmax出力3Aに対応する為に気休めでは有りますがフィンを取り付け。オリジナルではLEDが出力側に入っているが、1.5Vから可変となり点灯しないので、入力側に10kΩのシリーズ抵抗を入れて点けました。
完成品も390円で販売されています。更に電圧ステップは異なりますが切り替えDIPスイッチ付き完成品も580円で販売されています。
前回品に比べて出力電流が大きいのと、ICの基準電圧が1.23Vで最低電圧1.5Vとしても外部回路が不要で、しかも安価です。
電源のON/OFFについて5番ピンで制御しようとしましたが、オープン状態ではOFFにならず、抵抗でプルアップしてもダメだが、別電源で入力可変すると仕様通り制御可能ということで、今回はオリジナル通り入力電源をON/OFFすることにしました。
ボリュームは最終的に15回転の物にしました。13.5Vで誤差0Vに調整します。
1.5V~13.5Vまで可変にしてみましたが1.5Vステップの誤差は偏差5%の抵抗でも0.1V以下でした。ロータリースイッチは無段回転の為、オープン時に最大電圧となるので、空き端子は1.5Vになる様にしました。
12Vで3A負荷としましたが、電源変動は-0.7V程度でした。入力電圧が30Vと高ければ、0.1V程度になります。安定化の入出力電圧差は最低4Vでした。
出力リップル/スイッチング・ノイズも、オシロ観測上は殆ど有りませんでした。
近くのAMラジオへの影響も無く、コイルを指で摘むと人体アンテナで雑音が少し入る程度です。
2.真空管用高圧電源
もう1年半も前のブログに【電池管式ガイガーカウンタ動作確認】の記事を書いたが、実際、屋外で使用するには電池で駆動しなければならず、その為の回路はMC34063Aを使用したO-Familyさんの電子工作の部屋【AVRマイコン ATmega88 + ニキシー管 デジタル時計】 を使えるなと思っていたが、長い間中断していた。1項の実験ついでに再開することにした。
これも手抜きでaitendoの昇圧モジュール[AKIT-124] (390円)を使ってO-Familyさんの回路に改造を行った。
スイッチング用のパワーMOS-FETには手持ちの2SK3234(400V/8A/0.65Ω)をダイオードにはaitendoのファーストリカバリダイオード(5個入り)[TFR1T]140円 (1000V/0.5A)を使用した。またマイクロインダクタを使用していたので、これでは電流が取れず手持ちの円筒ラジアル形220uHインダクタを使用した。
オリジナルはニキシー管用の180V出力だが、400Vまで出せることが確認出来た。今回必要なのは90Vと低く、入力電圧は6V以上で動作することが確認出来た。
aitendoのモジュールはスイッチング周波数設定用コンデンサが100PFとなっていたが、これは1000PFにしないと動作範囲が狭い。電圧の出ることは確認出来たので、ガイガーカウンターに実際接続して確認する。一次側は70mAだった。
ヒーターの1.5Vはオリジナルのまま乾電池を使用。-15Vは同じMC34063Aの可変スイッチング電源を接続する。
スイッチングノイズを心配したのだが、その影響は無く、マントルに近づけるとちゃんとカウントした。
近くに有った長ネギに当てた所、僅かながらカウントしたので、少し心配である。ハンディ化が実現したら畑で測定したいと思う。
ヘッドホンでモニターすると、若干ブーン音が聞こえる。出力側コンデンサは3.3uFフィルムコンデンサを使用しており、これに33uF電解コンデンサをパラに入れるがそれ程変化は無かった。電解コンデンサのみにしたら雑音が大きくなったのでフィルムコン(高周波特性が良い)でないとダメの様である。今後はLCフィルタの効果を確認したいと思う。
今後は、3出力(1.5V/-15V/+90V)を正式に組み直す予定。
1.5V出力は1項の電源が使えそうだ。
連休も残り1日となり、また伸び伸びになるかも知れないが。
私が生まれた頃に製造されたガイガーカウンターが、新しいテクノロジー(現代では標準的な技術であるが)で蘇るのが面白い。
その後、ズバリの回路キットがaitendoより発売された。
高電圧出力昇圧DC-DCコンバータ[AKIT-150V34063] 販売価格:
600円