トラブルシューター

私の修理・製作体験記(茨城・県西おもちゃ病院・JA7FJP/1)

LUXMANチューナー(WL-500)診断・・不思議な発振

2013-05-12 18:20:00 | アマチュア無線

Img_4908_rImg_4915_r  ブログの同機修理記事を見た方から修理の相談が有り、取り敢えず送ってもらった。
FM放送の音楽を録音して、鑑賞したいと思ったのですが、受信している音に常にザーとかシー、とかジーという音が混じっている。というか根底にズーと鳴っているのが気になるというもので、メーカーに修理を依頼したが、フロントエンドの故障で部品も無いので修理困難で、当方に相談が有ったものだ。フューズ形状のランプも同一品が無いので、これも何か代用してもらえないかというのもある。
回路図が有ったので予め、RFとMIXに使用しているトランジスタ(3SK40)を若松通商から購入しておいた。
Img_4910_r Img_4911_r Img_4912_r Img_4916_r 到着して、自宅アンテナ(2エレのトンボアンテナ+アンテナブースター)に接続してみると、ちゃんと受信出来る。周波数もぴったり合っている。ただ、ヘッドホンでモニターすると歪みっぽい(マルチパス風)感じがしたので、専用の測定器で出力波形(30Hz~15kHz)を見たが、波形上では、綺麗な正弦波になっている。帯域内でのレベル差も殆ど無い。
そこで、依頼者に受信環境を確認したところ、添付の並行フィーダー線アンテナとのこと。放送局からも距離が有るとのことで、アンテナの関係ではと疑ったが、取り敢えず、FETを交換することにして、フロントエンド部の取り外しに着手。
Img_4930_r Img_4931_r Img_4932_r Img_4933_r バリコン裏にチューナー部基板が10箇所以上がっちっり半田付けされており、熱も逃げやすいので外すのに一苦労する。横行ダイアルのドラム巻き付けは後々苦労するので、周囲をテープで巻いて紐が外れない様にする。
Img_4923_r Img_4924_r Img_4928_r Img_4929_r やっとのことで外してみるとFETは回路図に書いてある3SK40では無くRF/MIXどちらも3SK39が使用されていた。(フェノール基板なので割れやすい。)
Img_4940_rImg_4941_rImg_4943_r規格を見ると、それ程変わらない様なので、交換して接続し直すが今度は、受信レベルが極端に弱くなってしまった。元に戻すにも、せっかく外して付け直したバリコンの接続部を再度外すのは大変で、幸いトランジスタはラジペンが入るところにあるので、ここは付けたままで外すことにした。
何とか元の3SK39に戻してみるが、長周期(1秒間隔程度か?)のパルス性ノイズが観測され、レベルメーターもそれに合わせてピクンと振れる。
チューナーとの接続も大変なので、単体で電源供給(実測12.7V)して調べることにして、FETもパターン面に取り付けて行った。
AGC用の電圧を可変(電圧が高くなるとゲインが上がる)してみると0.3V以上で発振が始まる。
3SK40に変更しても変わらず。WL-500の無信号時AGC電圧は4.6Vになっている。
ネットに有ったビーズコアをG2に入れる対策もしてみたが変わらず(UHF帯の発振には効果が有る様だが)、中和コンデンサも効果無し。
G2への供給回路をパターンでは無く、空中配線にすると発振する範囲は狭くなったが、少し残るのでコンデンサの容量を増やす。
Img_4944_rImg_4938_rWl500agc1れでも、完全では無いので、同じLUXMANのチューナーT-4の回路と同じく信号入力をコイル直付けとしたところ発振が止まった(といっても10V前後でのみ不安定)。AGC電圧とゲインの関係を測定してみた。
3SK40に交換するとゲインは低くなる(AGC電圧を可変しても全体的に低いので特性の違いらしい)。
発振は止まったが、なぜこの様になったのかは謎のままだが、これ以上は調査が難しいので、正式に配線して再度確認したいと思う。

コメント (3)
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