国民健康保険料は、こどもの数に応じて負担が大きくなるしくみです。
そこで、この負担を軽減するため、均等割額を免除する条例改正案を議員提出しました。条例案は否決されましたが、以下に提出理由の討論を記します。
議員提出第14号議案 大田区国民健康保険条例の一部を改正する条例について提出者として賛成の立場から討論いたします。
この議案は、こどもの均等割による国民健康保険料の負担を軽減するため、国民健康保険の第一子以降の子どもに係る保険料の被保険者均等割額を免除し、こどものいる世帯の経済的負担を軽減するための議案です。
現在、医療保険は、大きく分けると、企業の従業員や公務員とその人に扶養されている家族が入る保険や75歳以上の後期高齢者医療保険と、これらの対象者ではないすべての人が対象となる国民健康保険にわかれます。
国民健康保険の在り方が、自営業者、農業者、会社を退職した人、無職者など、仕事がなかったり、保険の対象とならない短時間労働の方が多いこともあり、所得の低い方たちが多い保険にも関わらず、雇用者負担が無いこともあり、かかった医療費を負担するには、被保険者に重い負担になっています。
そもそもの医療保険の制度に課題があるということです。
本来の保険の仕組みから言えば、分母は大きいほどリスクが分散され、負担が平準化されますから、税方式で、すべての国民を対象に医療保険制度を一本化するなどの、改善が必要です。
そのうえで、今もこどもの頭数で保険料を負担しなければならない子育て世帯の負担を軽減させるため、今すぐにでも取り組まなければならないのがこの国民健康保険料であり、子どもにかけられている負担です。
現在、大田区は、23区統一保険料方式を採用していて、23区共通の保険料ですが、私は、被保険者均等割による子育て世帯の負担は、23区としては、東京都に財調の45%の中から負担すべき大都市事務として考えるべき保険料だと思っています。
この間、大田区は、様々な課題について、財調算定を東京都に要望していますが、その多くは土木建設に係る財源です。
しかも、この間、都からの福祉関係財源の補助は激減していますが、東京都には、大都市事務として固定資産税・法人住民税の45%・都市計画税の、合わせて約1兆円という莫大な23区の財源が流れています。
このこどもの均等割こそ、東京都が財政負担すべきで、そのスタートとしても、まずは財調算定を要求すべきだと思います。
大田区は基金の積み立ても1000億円もあり、財政基金だけでも500億円をこえますから、東京都が財調算定を認めない間は、まず、大田区が先進自治体として独自財源で負担し、他区へもよびかけ、将来は東京都が大都市事務として負担とすべきことを大田区から声をあげてはどうでしょう。
そのうえで、次の段階として、税で負担する医療保険制度の改革に進むのが必要だと思います。
今ある課題を放置することなく、23区他区も巻き込む国民健康保険の改善策ととらえ、ぜひ賛成していただきたく討論といたします。