いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

決定力不足の時代(総力野球)。 wanting in decisive faculty

2010-11-08 19:34:45 | 日記
 (1)パリーグ年間ペナントレース3位のロッテが、セリーグ同1位の中日を破って日本一
となった。最終144試合目でかろうじて3位を確保してから、短期決戦での勝負強さが際
立っての日本一だ。5時間を超す24年振りの日本シリーズの引き分け試合を含め、延長戦
も7試合中3試合と総力戦(total war baseball)の日本シリーズだった。
 テレビの解説者は、双方善戦というより、決めるところで決めれないプロとして「決定力不足
(wanting in decisive faculty)」を指摘していた。

 プロ野球プレーヤーは個人事業主だから、個人の個性、能力、プレースタイルを強烈にア
ピールしてのスタンドプレーが魅力のひとつだ。一方、チームスポーツなのでチームカラー、
チームワークも年間戦い抜くには欠かせない要素でもある。
 今年のシーズンを振り返っても、ここぞという時の勝負強さが短期決戦に生きたロッテの
個性とチームカラーのバランス感覚が際立っていた。

 中日プレーヤーの都会的な細い、しかし鋭いセンスに比較して、図太く個性的なロッテプ
レーヤーの神経の太さが浮かび上がる風貌も印象的だった。ロッテの今江さんは、テレビ画
面にアップになる度に、イチローさんを彷彿(ほうふつ)とさせるムードがあった。
 
 来年は「飛ばないボール」採用で、プロ野球はますますチームプレー重視の細かい総力野
球時代(a era of total war baseball)に向かい、プロ野球の個性的ダイナミズム(dynamism)
は失われていくのではないか。そういう時代を予見させる24年振りの延長引き分け、延長戦
の多い「決定力不足」の今年の日本シリーズだった。

 (2)思えば日本プロ野球の現在の最高プレーヤーで個性力のあるイチローさん、松井秀喜
さん、松坂さんは、すべて大リーガーとして米国で活躍中だ。来年に向けても、日本プロ野球
の有能なプレーヤーの米国大リーグへの挑戦の話題が続き、日本プロ野球はスモールスケ
ール(small scale)、ダウンサイジング(down sizing)化が進むのは残念だ。
 戦力の均衡、スモールスケール化が進むと、1リーグ6チームでは1年間の対戦マンネリ化
も進んで、興味を持続させるのもむづかしい。

 来年は、早大の3投手、とりわけ斉藤佑樹くんの日本プロ野球挑戦が期待されており、プロ
野球としての久々の「花」、「華」のあるプレースタイルも楽しみではある。
 WBCでは、2回連続のワールドチャンピオンの日本(プロ)野球のチーム総合力の評価は高
く、これに個性的でダイナミックなプロのプレーヤーの出現が待たれる。
 
 (3)米国大リーグでは、イチローさんの年間200本安打のさらなる記録更新への期待、松井
秀喜さんの新天地での勝負強いロングヒッターのプレースタイル、松坂さんの投球術とスピー
ドボールの復活、さらに大リーグ入りが有力視されている岩隈さんの国際的に実績、評価のあ
る投球術にも期待して、できればワールドシリーズチームのメンバーとしての日本人大リーガー
の活躍を見てみたいものだ。

 時代は、政治、経済と「決定力不足(wanting in decisive faculty)」で閉そく感が漂う。まずは
スポーツでも、個性のある決定力で閉そく感の打開を見てみたいものだ。

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