いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

就職。氷海をさすらう期。 wandering refrigerating ocean age

2010-11-17 19:35:55 | 日記
 (1)大学生就職内定率が「予測どおり」調査開始以来最低の57.6%(10.1現在)とな
った。03年の就職氷河期を下回る最低率で、さしずめ「氷海をさすらう期(employment
of wandering refrigerating ocean age)」を迎えたと言いたい。
 最低率が新聞の一面に大きく掲載されて、大学を卒業して前途に希望と意欲を持つはずの
若者には気の毒な気もするが、「何を今更」のメディアの取り扱いだ。

 今年はデフレ円高不況の中で、企業の半数近くが新規採用を控えて、就職戦線の厳しさは
十分予測された事態だった。デフレ円高不況の国内解決策もないまま企業マインドは来年も
この傾向(新規不採用)は続くとみられている。来年も大学卒業者の就職戦線は厳しいこと
が十分予測される。

 企業は、自己防衛のために生産拠点を需要と円高メリットの海外に移転して、ますます国
内の雇用情勢には厳しい環境で展望が開けない時代だ。
 企業マインドの中には、HV技術力で業績回復基調にあるトヨタのようにできるだけ国内生
産にこだわり下請け保護、雇用促進にも配慮しようとの方針を表明したパイオニア(pioneer)
企業もあり、また債権回収不能の破たんで国の援助(税金)で再生した銀行の中には、よう
やく法人税を納めれるまでに回復基調のところも出始めている。
 ただし、デフレ円高不況の長期化で先行きが読めない経済事情が足かせになっている。

 また、介護や医療機関では逆に人手不足が問題となっているところもある。ともに資格の
ともなうもので雇用の即効性には乏しいのはネックだが、①視点を多様に持てば国内企業に
も雇用開発力(development faculty of employment)はある。

 (2)大学も専門性を活かしてこうした経済情勢、企業環境、就職情報を分析、整理して学生
に的確な先見的就職データを提供して不安解消と展望を開くべきだ。大学の専門性が就職活
動で適正に機能していないのは残念だ。

 学生個人の自由、自主活動にまかせて(キャリアーセンターのアシストはあるが)の早期就
職活動により本来の授業に影響を与えている現在事情には、大学自らのこの分野での専門
性が機能していない事情もある。先見性のある的確なデータ分析力、提供で学生に進む方向
性を示す必要がある。

 そして政府は、景気回復には雇用が第一と言いながらの雇用促進に障害のデフレ円高不況
、企業の海外移転に打つ手なしの現状で、ただ企業マインドの自己回復力を待つだけの無力
ぶりだ。
 政府も企業も、前途に希望と夢を持つ若者の意欲を損なってはならない。日本の将来を支
える大切な財産力であることをももっと認識すべきだ。

 氷海をさすらう期の就職事情では、学生が早期に活動する以前に政府、企業からの早い情
報提供と仕掛け(①視点を多様に持つこと、②先見性)が大切だ。
 学生も、従来の企業基盤に依存するだけではなく、フロンティアな企業開発気概が必要な
時代を迎えている。

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