いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

試練と教訓(東日本大震災)。 ordeal and instruction

2011-03-17 19:26:53 | 日記
 (1)東京都知事が東日本大地震を「天罰」と「罰あたり」な事を言ったが、福島原発事故については常に安全性、安全対策が課題と言われ、問題にされながら、「間違っても安全(fail safe)」の安全対応にはほど遠い政府、東電の危機管理能力が試された、受けた自然界からの「強烈な」でも言い表せない試練(ordeal)、教訓(instruction)だった。

 冷却のために海水が利用できるということで海岸線沿い近くに原発を設置しながら、非常時の場合の冷却バックアップ機能の施設設備を原子炉建屋よりも海側に地上露出して設置する、無防備、無神経、安易さからは、原発安全神話に対する国民の疑念、不安に対する「間違っても安全」の専門的な技術的、入念な対応策がまったく感じられず、見られないものだった。

 (2)1000年に一度と言われる大震災、想定外の大津波とは言え、いともあっさりと大津波に洗い流された冷却バックアップ施設設備の無防備、無神経なロケーションが、その後の原子炉のドミノ崩壊にまったく打つ手のない惨状を導き出している。
 さらに、冷却のために利用できるとした隣接する海水の注入による冷却作業も、原子炉の機能維持(塩分が入るとサビで再利用は不可能)をあくまでプライオウリティ(priority)にしたのか、遅れた。

 「遅れた」と言うのは、冷却機能が働かないとされた当初の現状時点を映像で見ていて、すぐに隣接する海水を利用すべきだと感じたが、実際に政府、東電が注入を決断したのは翌日以降であったからだ。
 しかもその海水注入も原子炉内の圧力が高まったとかで機能せずに、原子炉内に海水が注入されずに「空だき状態」が続くと言う、状況は握力、基礎専門力、予見予知力の不足、欠如の有り様であった。
 到底、高度な安全性が求められていた原発管理能力にふさわしい「資質」、準備が政府、東電にあったとは言えない寒々しい惨状であった。

 (3)17日現在、福島原発事故によるものと思われるモニタリング測定による放射線量が宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉の5県で通常値を上回った。
 政府は「身体には全く影響のないレベル」と言うが、もはや住民、国民に対する説得力もなく、「具体性」に乏しい説明でしかない。

 ①現時点では「影響のないレベル」だと言うのか、②それでも長時間被ばくすれば健康影響はどうなるのか、③すぐに漏えいした放射性物質はなくなり影響はないと言うのか、付近住民には「具体的」に分析情報が伝わってこないではないか。

 (4)政府、東電の安全説明にもかかわらず、すでに1万人近くの住民が福島から脱出をすませた。今後も増えるとみられるのは、当然の結果だ。
 

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