エネルギーの努力値。 exertive energy value

　(1)控除から外れた主婦の年金未納救済策のあ然とする「不合理性」と同じレベルの家庭太陽光発電余り分の買取り制度とその買取り料金を、全家庭（電力利用者）電気料金に均等上乗せ転嫁する「不条理性」と言い、社会通念の基準が適正、不適正にかかわらずに「変」な連帯責任論に支配されて、概念の公平、公正なプロセス検証もなく結果論の狭い了見、堅い頭の不合理、不条理で乱暴な結論誘導手法が際立つ。

　政府、官僚組織の「思考停止」まん延を示すもので、とても油断、放任できない政策決定プロセスだ。家庭太陽光発電の余り分のみの買取りから、さらに風力、水力、バイオマス、地熱発電を含む自然エネルギー「電力全量」を買取る拡大策を１２年度から導入する政府方針だ。各家庭電気料金の均等上乗せ金額が増加する。

　地球環境適応化の時代を迎えて、地球温暖化防止、温室効果ガス削減目標達成に向けて太陽光発電ほか自然エネルギー活用発電設備の普及促進を目指したものだが、これみよがし（または、あてつけ）の協力者（設備設置者）に対する過剰な便宜、利益供与（比較、未設置者への不利益負担による連帯責任転嫁）で普及促進をはかるなどとは、統治行為機関がとるべき正義観からはほど遠い、姑息な手法だ。

　(2)地球環境適応化の時代に、家庭での温室効果ガス排出削減が進まない。具体的プランとしての政府指針が不透明で、検証システムもなく効果手順を示せないでいるからだ。
　具体的に家庭でのエネルギー使用モデル、パターンを示して、意識の共有化をはかる必要がある。１日のサイクルで照明、テレビ、各種電化製品、空調の使用時間、領域空間、品質、温度の設定基準を標準パターン化して、目に見えるものとしてプログラム提示する必要がある。

　(3)標準パターンにもとづいてエネルギー利用値（exertive energy value）の比較計算による還元制度による省エネルギー「努力（exertion）」効果が家計に反映されるシステムなら、合理性もあり目標効果も大きくなる。
　地球環境適応化には、これみよがし（または、あてつけ）の一方的スタンスな便宜化ではなく、努力目標（exertive energy value）が反映される効果システムだ。

　(4)エネルギー利用にあたっては、各家庭の生活事情によって節約したりガマンしたり（ガマンせざるを得なかったり）、利用方法にはそれぞれ創意工夫を凝らしていることも多い。
　国民のエネルギー利用観の全体像をは握、分析、検証してのエネルギー政策でなければ、合意、理解、共有化はできない。
　単なる設備（太陽光発電ほか）的問題でのこれみよがし、あてつけの連帯責任論（均等料金上乗せ）では、変化（ハード面）に効果的に対応できない家庭事情もあり、エネルギー利用事情の全体像をは握した合理性のあるエネルギー対応が求められる。