弁護士の高収入。 high income of lawyer

　(1)法科大学院をつくって新司法試験制度で法曹人（裁判官・弁護士）の社会的需要の増加に応えようとしているが、法科大学院の教育研究の質が問題化して急きょ定員を削減して手っ取り早いスケールからの質の向上をはかってみたり、しかし司法試験の合格率も向上していない。
　裁判官、弁護士の社会評価、評判がよくない。弁護士の平均年収が１２００万円と高く、あわせて弁護士の犯罪も目につくようになった。

　(2)日本も訴訟社会になって、弁護士の活動範囲も拡大し（その対応のための法曹人育成増加の新司法試験制度）対象訴訟費用に対する法令比率収入のほかにも、顧問料とか後見人事務とかで高額所得者の仲間入りだ。
　金銭感覚のマヒが正しい判断力を見失う人間の「サガ」でもあるまいし、高度に教育された弁護士の犯罪の増加は情けない。

(3)専門知識を悪用する高収入の弁護士、さらに被後見人の管理財産をかってに１５００万円も搾取していた。被後見人からの弁護士会への問い合わせで事件は発覚したというから、随分と罪の意識に欠けた善良な信頼を見くびったいいかげんな専門知識だった。

　(4)ついでに、これまた評判のよくない国会議員でも弁護士資格者の比率が増えている。社会正義のパラダイム（paradigm）として遵守する意欲に欠ける弁護士資質を象徴、反映するかのような国政の有り様でもある。
　本来、金銭とは一番遠いサーバントと思われていた聖職（holy orders）が、技術的な手段としてだけの現実主義社会に同化しての金銭にまみれた地盤沈下だ。

　(5)法科大学院の教育研究の質の問題（低下、２極化、定員割れの院も多くなった）、司法試験の合格率低迷がそのまま法曹人の資質、社会的信頼、評価低下を反映している。教育、質の大切さだ。

　かっては、最難関と言われて社会的信頼、ステータスでもあった司法試験。法曹人の社会的需要に応えるために敷かれた新制度に「社会正義としてのパラダイム」としての検証が必要だ。

　裁判員制度導入が、裁判官の裁判審理かけ持ち解消（不足）も理由のひとつであったように、社会正義のパラダイムとしての法曹人の「インバランス（imbalance）」体制が問われている。