いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

人格とねばり強さ。(名人と首相比較) individuality and tenacity

2011-06-23 20:34:20 | 日記
 (1)第69期将棋名人戦。挑戦者の森内さんが3連勝のあと羽生名人が3連勝で巻き返して、このケースとしては初めての第7局にもつれ込む接戦となった。
 両棋士の集中力、思考力、「ねばり強さ(tenacity)」には感嘆する。

 森内さんが第7局を制して将棋名人に返り咲いた。いきなりの3連勝でチャンスも大きかったが「勝てたのには驚いています」の謙虚な姿勢には、1局2日間の対局長丁場の精神力の高さを象徴して、どの棋士にも共通する人格者を感じる。

 3連敗のあとのない局面からの3連勝で逆王手をかけた羽生名人の驚異の精神力の高さ「ねばり強さ(tenacity)」もすばらしかった。惜しくも負けはしたが、勝負師の無念さから「ミスが多かったことが敗因」と解説して見せた。
 羽生さんはもっと若い一時期に7冠全制覇の偉業も成し遂げた、誰もが認める人格者でスーパー棋士だ。

 ここは、「ミスをさそった森内さんの実力」を素直に讃えてほしかった(多分、どこかではそれを認めているはずだ)。
 将棋(名人戦)というのは、個室での二人だけ(立会、記録ほか)の対局で、1局2日間ひたすら思考、集中しての自己能力のすべてを消費しての究極(ultimate)の戦いだ。

 しかし、終局後には対局両者クールダウンするかのように時間をかけての棋譜の反省会をくりひろげるのが慣例だ。本来なら、すぐにでもその場を離れてひとりになって思いをかみしめたいのは山々のはずだが、ここ(制御心)に棋士の人格力(noble individuality)、総合人間力の高さを感じる。

 (2)もうひとつ、政治の首相の「ねばり強さ」、懲りない「しつこさ」には、こちらのほうには大方がうんざりさせられている。
 与野党協力しての「首相降ろし」も、これにひとり抵抗する首相のねばり強い「続投」意欲も、本来ならそれぞれに立場上の意向もあればそれなりの理由の正当性もあるのが一般論だ。

 しかし内閣支持率20%台に終始して、国民の80%が国会が機能していない要因として首相のリーダーシップ不足を指摘し、思いつき発言で政策推進力のない首相だ。
 自ら退陣表明をしての内閣不信任案否決を「演出」してみせて、その果実を今度は信任されたと見栄を決め、思惑の外れた野党をもて遊ぶ発言の有り様には、もはや首相の資格、人格不適応で続投は国益に反するのはあきらかだ。

 自己野望政治のためだけの首相続投意欲(退陣時期は表明せず)のこちらの「ねばり強さ」懲りないしつこさは認められない。

 首相は市民運動からの政治への進出者だ。当時の市民政治家市川房枝さんに薫陶しての政治家を目指したと聞いている。
 今の自己野望政治のための首相のスタンスは、「市民運動」、「市民政治家」に「泥を塗る」懲りない、しつこい野望独善行為だ。
 もはや国民の信頼は失っているのだ。少なくとも政治をあるべき環境に戻しての政治課題をあとにまかせる、もしあるのなら人格(noble individuality)を示すべき時だ。

 最近は、すっかり表に出てこなくなった首相、誰かの操り人形でもないのかの疑念も残る。

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